2000 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュ・ベンガル地方の地下水砒素汚染問題に関する応用生態人類学的研究
Project/Area Number |
11691039
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF DESIGN |
Principal Investigator |
谷 正和 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60281549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正史 北陸学院短期大学, 教授 (50225538)
上野 登 宮崎大学, 名誉教授 (40040901)
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Keywords | バングラデシュ / 地下水砒素汚染 / 農水産業 / 物質文化 / 社会組織 / 雨水利用 / タイ東北部 |
Research Abstract |
本年度研究では調査地、バングラデシュ・シャムタ村を文化生態系として捉え、この生態系の生産消費に関するデータを収集するため、引き続き調査を行った。昨年度調査は乾季に行ったため、今年度は調査時期を雨季に設定し、2000年8月27日から9月20日まで農業、水産、畜産、食事、物質文化、社会組織についての調査を行った。 農業調査は耕作のための組織、地主と農業労働者との関係、農業経営の実態などについて調査を行った。畜産調査では、各世帯の家畜の所有数、家畜の利用法、経済的機能などについて聞き取りし、家畜流通の現状把握のため家畜市場でも調査を行った。水産調査では、全ため池を対象に昨年度作成した池台帳を元に、雨季の水産活動、漁獲高などの聞き取りを行い、村内のため池の生産量を推定した。また、水産業の現状を明らかにするため、漁獲、養殖、魚の流通などの関する聞き取り調査を行った。資源利用に関する調査として、各世帯の食事・物質文化調査を行った。食事調査は季節による食事の違いを把握するため、引き続き行った。物質文化調査では、家屋、家具、生活用具について、各世帯の所有品目、数、入手方法について調査を行った。社会組織の関する調査は、砒素問題解決のため、実際に援助を行う際、その援助が実効性を伴うためには、現地の自助努力が不可欠であり、そのための組織作りに必要な情報を収集するため、シャムタ村で共同作業のための組織を調査した。 また、安全な水を供給するための対策のひとつとして、2000年12月19日から29日まで通常雨水を飲料水として利用しているタイの東北部、コンケン県ピアファーン村において、雨水利用を行っている世帯の分布、利用の方法、目的、雨水利用施設(貯留・浄化など)の実測、施設の建築法、利用頻度、利用期間などについて調査を行った。
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