1999 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦期アジアにおける文書記録史料の略奪・廃棄・流出等に関する調査
Project/Area Number |
11691043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 一般 |
Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
安藤 正人 国文学研究資料館, 史料館, 教授 (90113422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 義明 中央大学, 商学部, 教授 (40102884)
倉沢 愛子 慶応大学, 経済学部, 教授 (00203274)
井村 哲郎 新潟大学, 人文学部, 教授 (50303095)
吉田 裕 一橋大学, 社会学部, 教授 (20166979)
小風 秀雅 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (90126053)
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Keywords | 文書 / 記録史料 / 第二次世界大戦 / 戦争 / アジア / 略奪 / 廃棄 / 流出 |
Research Abstract |
初年度である今年度は、準備研究会ののち夏より外国調査を開始し、中国、マレーシア、インドネシアのアジア三か国のほか、ヨーロッパでオランダ、イギリス、イスラエル等の調査を実施した。 中国では2度の調査を行った。第1回は東北地方に重点を置き、黒竜江省哈爾濱市(黒竜江省図書館、哈爾濱市図書館など)、吉林省長春市(吉林省档案館、吉林省社会科学院満鉄資料館など)、遼寧省瀋陽市(遼寧省档案館、遼寧省図書館など)で「満洲国」期の史料を中心に関連史料を調査・収集した。なお長春市では聞き取り調査も行った。第2回は南京市(中国第二歴史档案館)と上海市(上海市档案館)の調査を実施した。中国の档案館における調査は、事前許可制である上に、閲覧制限が大きく、調査はかなりの困難を伴う。今年度の調査は、研究分担者がそれぞれ長年培ってきた人脈に拠るところが大きく、調査期間が短期間であった割には比較的大きな成果をあげることができた。 マレーシアでは、ジョホールバルの国立文書館分館などで日本占領期の軍政関係史料を中心に調査を行い、多数の史料を複写によって収集した。インドネシアにおいても、ジャカルタの国立文書館を中心に日本軍政期の史料を収集した。 ヨーロッパでは、オランダ、イギリス、イスラエルその他数カ国で本研究テーマに関係する史料の探索を行った。とくにイギリスの国立公文書館やオランダ外務省図書館では多数のアジア関係公文書史料を閲覧し、本研究テーマに直接関係する情報を豊富に収集することができた。 このほか、国内関連調査として都内史料保存機関のほか鹿児島県、高知県、島根県、沖縄県等において、関係者の聞き取りを含む調査を行った。 以上の今年度収集史料については、各研究分担者が整理・分析を進めるとともに、情報交換を密にして研究成果を高めるべく努力している。
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