2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 信行 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70217058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 俊雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (10171696)
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Keywords | 国有企業 / コーポレート・ガバナンス / 会社法 / 株式会社 / 多元化 / 物権法 |
Research Abstract |
今年度は3年間にわたる研究期間の最終年度であったため、前の2年間に実施した調査の補足的な調査と、とりまとめの研究に重点をおいた。 国有企業のコーポレート・ガバナンスについては、この研究期間中に大きな変化が生じた。主要な要因はWTOへの加盟が現実のものとなったことで、コーポレート・ガバナンスの問題への対応も、より切実なものとならざるを得なくなった。この面での改革の柱は、以下の2点である。 1.コーポレート・ガバナンスの前提条件を確保するため、国有企業から改組した株式会社における株式構造の多元化を進める。 2.会社法のより厳格な実施を実現するとともに、必要な改正を実施する。 1については、国有株の本格的な売却が2001年6月以降実施されたが、株価が急落したため、10月にはこれを停止する事態となり、大きな壁にぶつかった。 2については、関連する物権法の立法作業の中で、議論が沸騰しているが、多数説が容易に形成されない状況である。 田中は9月11日〜19日の間北京を訪問し、2の問題を中心にヒアリング調査を実施した。田嶋は12月21日〜29日の間北京を訪問し、1の問題を中心に現地調査を実施した。 1月上旬に、中国側研究協力者の袁鋼明中国社会科学院経済研究所副研究員と李黎明北京大学法学院助教授を東京に招き、集中的な研究会を行なって、これまでの研究成果について分析するとともに、とりまとめの方向性について議論した。 いずれの問題についても、さまざまな意見の対立があり、政策の指針も明確には定まっていない。今後、WTOへの加盟という一層困難な条件のもとで、国有企業有企業改革がどのように進められるのか、さらに注視していく必要があることを確認した。
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Research Products
(2 results)