2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691068
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西口 敏宏 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (20270928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 亨五 一橋大学, イノベーション研究センター, 講師 (70303055)
武石 彰 一橋大学, イノベーション研究センター, 助教授 (60303054)
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Keywords | 企業間システム / 組織間関係 / 自己組織化 / 場 / アウトソーシング / 企業規模 / 相互依存性 / 組織能力 |
Research Abstract |
第二年度である平成12年度は、初年度の結果を踏まえ、新しい企業間システムの形成を促している要因、そのインパクト、課題をより詳細に明らかにすることであった。前年度同様、日本および海外(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、フィンランド、韓国、シンガポール)の主要企業、関連政府機関、研究機関のインタビュー調査が研究活動の中核であった。航空機、自動車、繊維、コンピュータ、携帯電話といった産業、製品分野を中心に国際的なネットワーク形成、産業集積の新たな胎動、モジュール化による新しい分業システムの発展、といった企業間システムの新潮流をより体系的に観察することができた。こうした実証的な研究活動と合わせて、企業間システムを分析するための新たな理論的枠組みの構築にも引き続き努めた。「場」、自己組織化、ビジネス・アーキテクチャ(製品や組織などビジネスに関わる様々なシステムの分け方とつなぎ方についての基本的な設計構想)、企業間システム内の相互依存性といった概念を軸に、新しい理論的フレームワーク、視点を提示した。具体的な発表成果としても、別表の通り、こうした研究成果を踏まえて、論文、著書、編著書の形で多数生み出すことができた。かつて日本の競争力を支えていたとみられていた系列システムなど独自の企業間システムの有効性が疑問視される一方、欧米そして日本でも新しい企業間システムが試みられ、形成されつつある。企業間システムを国際的に、そして複数の産業にまたがって研究を進める本研究の重要性はますます高まっていると考えられる。最終年度である来年度には、これらの成果を踏まえ、焦点をもう一段絞り込みながら、理論、実証の両面でさらに成果を積み上げ、日本の企業間システムのあり方を考える上で有効な知見を提供したいと考えている。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 西口敏宏: "政府をプロジェクト・チームとして運営する"ビジネス レビュー. 47-4. 1-3 (2000)
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[Publications] 西口敏宏: "よりよい日本の防衛調達を求めて"ビジネス レビュー. 47-4. 20-36 (2000)
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[Publications] 武石彰: "「自動車産業のサプライヤー・システムに関する研究:成果と課題」"社会科学研究. 52-1. 25-50 (2000)
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[Publications] Akria Takeishi: "Knowledge Partitioning in the Inter-Firm Division of Labor : The Case of Automotive Product Development"Organization Science. (2001)
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[Publications] Akira Takeishi: "Bridging Inter- and Intra-Firm Boundaries : Management of Supplier Involvement in Automobile Product Development"Strategic Management Journal. (2001)
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[Publications] 李亨五: "スーバーコンピュータCPUパッケージの製品開発:モジュラー・イノベーション的装置産業製品開発の組織パターン"藤本隆宏・安本雅典 編著『成功する製品開発』. 87-104 (2000)
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[Publications] 西口敏宏: "戦略的アウトソーシングの進化"東京大学出版会. 434 (2000)
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[Publications] 藤本隆宏,武石彰,青島矢一: "ビジネス・アーキテクチャ:製品・組織・プロセスの戦略的設計"有斐閣. 300 (2001)
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[Publications] 李亨五: "企業間システムの選択"信山社. 230 (2001)