2001 Fiscal Year Annual Research Report
極小国家の「国家的アイデンティティ」の社会的・経済的・文化的基盤に関する研究
Project/Area Number |
11691069
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
佐藤 幸男 富山大学, 教育学部, 教授 (00162496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 拓 富山大学, 教育学部, 助教授 (30222376)
徳橋 曜 富山大学, 教育学部, 助教授 (30242473)
田上 善夫 富山大学, 教育学部, 教授 (50145661)
川崎 信文 広島大学, 法学部, 教授 (60152948)
市川 文彦 関西学院大学, 経済学部, 助教授 (00203092)
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Keywords | 島崎研究 / ナショナル・アイデンテイテイ / ポストコロニアリズム / グローバリゼイション / リジヨナリゼイション / 極小国家 / 地域主義 / グローバリズム |
Research Abstract |
本研究課題の対象地域はニューカレドニア、ケイマン、コルシカ、ココス、モーリシャス・マダガスカル・コモロの極小島〓国家・地域である。本研究では、こうした極小国家・地域における「国家的アイデンテイテイ」の形成や再構築の動きを社会的文化的経済的側面から探究する一方で、国際政治環境および国際政治理論とのかかわりのなかで解明することをねらいとした。とくに、そのなかでも顕著であったのは、グローバル化した世界の現出のもとでナショナル・アイデンテイテイのゆらぎという現象であり、その震源に歴史的古層を抱え込んだ現実である。なかでも注目すべきものは、植民地主義の残像をひきずりながら、ポストコロニアルな状況をいかんなく示していることである。しかも、そのナショナル・アイデンテイテイのゆらぎという現象は、地域によって多様な立ちあらわれ方をしていることが特徴となっている。イスラームという宗教に傾斜する地域、国際金融網に取り込まれる地域、新たな文化的基盤の再整備を通じて国際社会における存在感を示そうとする国家・地域が本研究の対象となっていることは、きわめて象徴的なことであり、国際政治理論の新展開に大いなる示唆を与えるものとなったといえる。
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