2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691098
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
広瀬 崇子 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20119431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 貴子 大東文化大学, 国際関係学部, 助教授 (10307142)
井上 恭子 アジア経済研究所, 動向分析部, 主任調査研究員
長崎 暢子 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (70012979)
吉田 修 広島大学, 法学部, 助教授 (60231693)
近藤 則夫 アジア経済研究所, 地域研究部, 研究員
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Keywords | 国民国家 / 地方分権 / 地域協力 / 国民統合 / 分離独立 / 国家主権 / コミュナリズム / 南アジア |
Research Abstract |
2年目はグループおよび個々の研究者が意見交換や現地調査を行ったほか、来日した外国人研究者と数多くの研究会や意見交換を行った。昨年の研究がインド中心であったのに対し、今年はパキスタン研究者の意見を多く聞く機会に恵まれ、さらにアメリカの研究者との意見交換も実現して、研究の幅が広がった。また、昨年度行った選挙分析の原稿が揃い、出版の運びとなった。具体的には以下の活動を行った。 1.2000年8月に研究者5名がパキスタンに出張し、カエデ・アーザム大学で共同セミナーを行った。印パ関係、パキスタンの民政と軍政、アジアの安全保障問題を中心に活発な意見交換を行った。インドの立場とは異なるパキスタンの見解を知る上で、非常に有意義であった。 2.上記以外に個々の研究者がそれぞれ資料収集の目的でインド、パキスタンを初めとする南アジアおよびイギリスなどに出張した。 3.2000年12月に特定領域研究「南アジアの構造変動とネットワーク」の国際会議で招聘した外国人研究者のうち、本研究班関係の学者、Mohammad Waseem,E.Sridharan(本プロジェクトの共同研究者)、Stephan Cohen(Brookings Institution,U.S.),Kanti Bajpai(JNU,India),Rifaat Hussain(Quaed-I-Azam Univ.),A.K.Ray(JNU,India)の6名を東京に招聘し、研究会を開催した。 4.昨年度資料収集した第13回インド連邦議会選挙の分析原稿が完成し、2001年5月に出版されることになった。 以上の活動を通して、印パの「国民国家」形成の問題点および印パ対立のいくつかの諸相が明らかになった。たとえば、南アジアにおける「国民国家]形成は、印パ分離独立によって大きなハンディを背負って出発したが、パキスタンの方がより大きな不利益をこうむり、それがその後の長期にわたる軍事政権をもたらす一要因となったことである。これまでに十分研究されていない側面は国境を越える動き、国家間協力、国民間協力の実態調査である。これは来年度の課題である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 広瀬崇子: "最悪の関係から脱するために"外交フォーラム. No.144. 30-35 (2000)
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[Publications] 井上恭子: "カールギル紛争後のカシミール問題"海外事情. 第48巻第10号. 42-57 (2000)
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[Publications] 井上恭子: "1990年代インドの政治:多党化時代の政権構造"アジア経済. 第41巻第10-11号. 27-66 (2000)
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[Publications] 近藤則夫: "総論:1990年代のインド政治経済の新展開"アジア経済. 第41巻第10-11号. 2-36 (2000)
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[Publications] 近藤則夫: "インドの中央・州関係の展開:協調的連邦性への可能性"アジア経済. 第41巻第10-11号. 66-107 (2000)
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[Publications] 吉田修: "南アジアにおける戦争と平和-インド・パキスタン:展開なま対立"平和研究. 第25号. 49-58 (2000)
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[Publications] 広瀬崇子(編著): "10億人の民主主義"御茶ノ水書房(4月近刊予定). (2001)
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[Publications] 広瀬崇子(共著): "東南・南アジア/オセアニア"自由国民社(3月近刊予定). (2001)