2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本型生産システムの韓国への移転に関する共同研究-自動車産業を中心として-
Project/Area Number |
11691104
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
公文 博 法政大学, 社会学部, 教授 (50061239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 伸子 山口大学, 経済学部, 助教授 (60274148)
金 元重 新潟産業大学, 人文学部, 教授 (30319016)
萩原 進 法政大学, 経済学部, 教授 (80061208)
鈴木 玲 法政大学, 大原社会問題研究所, 助教授 (20318611)
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Keywords | 日本型生産システム / 現代自動車 / 小ロット生産 / 品質管理 / 労使関係 / デザイン・イン |
Research Abstract |
本年度は、日本韓国両方のメンバーによる2000年8月20日から26日までの韓国現地調査、および2001年2月18日から25日までの日本における自動車企業訪問そして合同研究会、そして日本側メンバーによる研究会(各月1回)の研究活動を行った。韓国においては、現代自動車本社、同社南陽研究所、同社ウルサン工場、および関連部品メーカー、大宇自動車本社、韓国通商資源部をそれぞれ訪問し、最新の情報を収集した。現代自動車に集中して訪問したのは、昨年度の反省から、3社を訪問するより1社に集中した方が成果を上げ易いからである。本研究プロジェクトの本来のテーマである、日本型生産システムの韓国への移転に関して言うと、1990年代半ば以降、各社がパラダイムとしては導入を行ってきたが、実態は、多様であるというのが、結論である。最も日本システムの導入が進んでいると思われる現代自動車に即して言えば、生産管理面では、小ロット生産、JITによる部品調達などが実施されている。しかし、品質管理特に工程における作り込みとなると不十分である。それは、労使関係において、現場作業組織を現場監督者が十分掌握しておらず、労働組合員による現場作業の規制効果があることに起因する。また、製品開発では、軽量級プロダクトマネジャー制度を重量級に変えることを考慮しており、部品メーカーのデザイン・インを始めたばかりであり、製品開発面でのリーン生産方式の導入も堵に就いたばかりである。研究開発については、現代自動車の日本側パートナーである三菱自動車工業におけるインタビューでも、ほぼ同じ事実を確認した。今後、現代自動車社史、韓国語による発表論文等を補足的に調査する。
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