2000 Fiscal Year Annual Research Report
ハワイ島マウナ・ケア山頂における木星イオ衛星起源のガスとプラズマの連続光学観測
Project/Area Number |
11691115
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森岡 昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50004479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10302077)
坂野井 健 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80271857)
三澤 浩昭 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90219618)
佐藤 毅彦 東京理科大学, 計算機科学フロンティア研究センター, 講師 (10297632)
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
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Keywords | イオ衛星 / 木星磁気圏 / 木星プラズマ / イオ火山ガス / 木星プラズマトーラス / 惑星プラズマ源 / 巨大惑星 |
Research Abstract |
1.ハワイ大学ハレアカラ観測所に本グループが開発した観測装置を搬入し,木星衛星イオから放出されるナトリウムガス及びプラズマ分布の光学観測を実施した。観測はイオ衛星近傍の狭領域観測と木星磁気圏を越えるスケールの広域観測とを同時に行った。21日連続の晴天に恵まれ,これまで例のないイオ火山起源のガス変動の詳細を2次元画像で撮像することができた。 2.本年のハワイ観測及び昨年のオーストラリア・アリススプリングスにおける観測データの詳細な解析と,観測データに基づくシミュレーション研究から,イオ火山ガスが木星磁気圏へ放出される過程に関して以下結果を得た。 i)イオ衛星近傍及びイオ衛星軌道のナトリウムガスが遠方へ放出される機構は,(1)磁気圏プラズマとの電荷交換反応,(2)磁気圏プラズマの分子イオン解離性再結合過程の2つの過程の重畳である。 ii)電荷交換反応を起こすプラズマは,木星と共回転する高速プラズマとイオ電離層で電離された低速イオンとからなり,その混合比2:3である。 iii)分子イオン解離に関わるイオンのlife timeは約10時間である。 iv)イオ衛星起源のナトリウムガスの放射フラックスは,電荷交換反応を経るものが1.5x10^26,解離性再結合によるものが4.0x10^26atom/secである。 v)イオ起源イオウプラズマが発する放射光(2lines)を観測から,イオプラズマトーラスの空間分布およびその時間変動の様相を明らかにした。 vi)イオプラズマトーラスの密度には周期性が存在し,その効果は木星極域で放射される低周波電磁波の伝搬に現れることを示唆した。。 3.フロリダ大学において,木星デカメータ電波の周波数スペクトルとイオプラズマトーラスの密度構造に関する研究を検討から,木星電波観測によるプラズマトーラス構造探測が行われた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takahashi,S.: "Distribution of sodium cloud near Io and in the inner Jovian magnetosphere"Advanced Space Research. 26. 1529-1532 (2000)
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[Publications] Nozawa,H.: "Variability of SII emission from the Io plasma torus"Advanced Space Research. 26. 1525-1528 (2000)
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[Publications] Misawa,H.,: "Observations of Jovian decimetric radiation at a frequency of 327 MHz"Advanced Space Research. 26. 1537-1540 (2000)
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[Publications] Nakagawa,F.: "On the sources of Jovian hectometric radiation"Advanced Space Research. 26. 1541-1544 (2000)