2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11691117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
手嶋 政廣 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40197778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
佐々木 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40242094)
福島 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (30241227)
千川 道幸 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50179941)
吉田 滋 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (00272518)
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Keywords | 超高エネルギー宇宙線 / 最高エネルギー宇宙線 / 宇宙線 / 大気蛍光 / 高エネルギー宇宙物理 / ガンマ線 / ミー散乱 |
Research Abstract |
最高エネルギー宇宙線の研究をすすめる上で、大気蛍光法は非常に有力な方法のひとつである。本研究では大気蛍光法の問題点を明らかにして、大気蛍光法をより信頼性の高いものにすることが目的である。最大の問題は大気中での光の透過度の推定である。大気中での光の散乱吸収過程としては、レーリー散乱とミー散乱とが存在する。レーリー散乱は大気分子によるもので大気密度から計算することが可能である。しかし、ミー散乱は大気中のダストによるものでその密度、高度分布は時間とともに変化する。またダストの粒子サイズ分布により散乱角分布が変わってくる。ミー散乱による光の散乱・吸収を精密に測定することにより、大気蛍光法がはじめて有効となる。また、大気蛍光は窒素分子の励起により放出されるが、300nm-400nmの領域で複数のラインスペクトルとなる。大気中でのレーリー散乱が波長依存性が非常に大きなことを考えると、全体の発光効率の測定では不十分で、それぞれのラインの強度を数%で測定する必要があることがわかる。 (1)明野観測所に設置したライダーシステムにより、UV領域での大気中での吸収を測定し、数%の誤差で光の透過度を較正することに成功した。 (2)明野観測所AGASAによる最高エネルギー宇宙線の観測から1020電子ボルトを超えるイベントを10例観測し、GZK限界を超える宇宙線が存在証拠をより強くした。 (3)最高エネルギー宇宙線の到来方向分布にクラスターと呼ばれるかたまりが見えることを明らかにして、最高エネルギー宇宙線の点源が存在する可能性を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Teshima他: "Cluster analysis of extremely high energy cosmic rays in the northern sky"Astro Particle Physics. 13. 151-160 (2000)
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[Publications] M.Teshima他: "Small-Scale Anisotropy of Cosmic Rays Above 1O^<19>eV Observed with the Akeno Giant Air Shower Array"AstroPhysical J.. 522. 225-237 (1999)
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[Publications] M.Teshima他: "The Anisotropy of Cosmic Ray Arrival Directions around 1O^<18>eV"Astro Particle Physics. 10. 303-311 (1999)
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[Publications] M.Teshima他: "Extension of the Cosmic-Ray Energy Spectrum Beyond the Predicted Greisen-Zatsepin-Kuz'min Cutoff"Phys. Rev. Letters. 81. 1163-1166 (1998)
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[Publications] M.Teshima他: "Observations of TeV gamma ray flares from Markarian 501 with the Telescope Array Prototype"AstroPhysical J. Letter. 504-2. 71-74 (1998)
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[Publications] M.Teshima他: "Anisotropy of cosmic-ray arrival direction at 1O^<18>eV observed by AGASA"Proc. Of 27^<th> ICRC Hamburug. 1. 337-340 (2001)