2001 Fiscal Year Annual Research Report
ギリシア古代都市メッセネの建築及び都市計画に関する国際共同調査
Project/Area Number |
11691154
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 重剛 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50159878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和彦 前橋工科大学, 助教授 (70269299)
岡田 保良 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 教授 (70138171)
堀内 清治 熊本大学, 名誉教授 (70040350)
勝又 俊雄 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (70224475)
林田 義伸 都城工業高等専門学校, 教授 (00149999)
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Keywords | 古代ギリシア建築 / メッセネ / 現地調査 / 設計法 / 施工法 |
Research Abstract |
現地調査 平成13年度の調査は、7月上旬から9月上旬まで約2ヶ月間、古代メッセネの3号墓及びアスクレピオス神域において行なった。3号墓については、これまで既に調査自体は終了しており、これに基づいた研究の上、現場で既存の部材を用いて仮復原を行った。アスクレピオス神域については、今期から調査を開始したので、調査許可を得ているストア及びセバステイオンの平面図、立面図、断面図を1/50で作成し、またストアの構成部材については縮尺1/5で図面を作成した。帰国後、これらの図面を清書し、寸法を記入して最終図面を作成した。また、ストア全体の1/200の図面を作成した。 研究内容と結果 3号墓については、前年度までに、調査によって復元図を得られたので、壁と屋根の一部を現場で仮復原を行なっていた。しかし屋根の主要部については未了であったので、今期この部分について仮復原を行ない、これで3号墓についてはほぼ当初の形が復元出来た。今後は、現存の遺構の上に、失われた部材を補完して、当初建設されたように復元することになるだろう。 アスクレピオス神域の全体を取り囲むロの字形ストアの実測結果については、中庭部分が南北47.274m、東西52.409m、奥行きは四方でそれそれ少しずつ違うが、約9.8mである。各ストアはコリント式の外部列柱と内部列柱とからなり、南側と北側が23本と14本、東側と西側が21本と13本配置されている。得られた平面図、立免ず、及び円柱部材の実測図、および寸法データから、ストアのオーダーを復元することが出来た。しかしながら、調査すべき部分はまだ残っており、今後の調査結果によっては、復原図は変更は充分ありうるものと予想される。ともあれ、調査はまだ終わっておらず、来年度以降に持ち越すことになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 中川明子, 伊藤重剛: "デルフィ、アテナ・プロナイア神域の大理石建築のダボに関する研究"日本建築学会計画系論文報告集. 535. 261-267 (2000)
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[Publications] 武田明純, 伊藤重剛: "墓廟IIIの遺構概要-古代ギリシア都市メッセネの建築調査(1)"日本建築学会計画系論文報告集. 541. (2000)
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[Publications] 武田明純, 伊藤重剛: "地中海古代建築の研究(106) メッセネの墓廟IIIと小アジア、ギリシア本土のヘレニズム期の墓との比較"日本建築学会九州支部研究報告. 40. 533-536 (2001)
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[Publications] 吉武隆一, 伊藤重剛: "地中海古代建築の研究(107) メッセネのギムナシオンのストア調査2000(1)-遺構の概要"日本建築学会九州支部研究報告. 40. 537-540 (2001)
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[Publications] 林田義伸, 伊藤重剛 他4名: "地中海古代建築の研究(108) メッセネのギムナシオンのストア調査2000(1)-立面復元試案"日本建築学会九州支部研究報告. 40. 541-544 (2001)
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[Publications] 吉武隆一, 伊藤重剛: "地中海古代建築の研究(109) メッセネのアスクレピオス神域調査2001(1)-ストア遺構の概要-"日本建築学会九州支部研究報告. 41. 477-480 (2002)
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[Publications] 吉武隆一, 伊藤重剛: "地中海古代建築の研究(110) メッセネのアスクレピオス神域調査2001(2)-ストアの各部寸法-"日本建築学会九州支部研究報告. 481-484 (2002)
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[Publications] Juko Ito: "Theory and Practices of Site Planning in Classical Sanctuaries"Kyushu University Press. 166 (2002)