1999 Fiscal Year Annual Research Report
マダガスカル産脊椎動物の適応放散の研究-鳥類と爬虫類の共進化に着目して-
Project/Area Number |
11691183
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Section | 一般 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岸 哲 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80101286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅彦 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90272880)
疋田 努 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40135512)
今福 道夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60135506)
森 哲 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80271005)
長谷川 雅美 千葉県立中央博物館, 研究員 (40250162)
|
Keywords | マダガスカル / 共進化 / オオハシモズ科 / 爬虫類 / 鳥類 / DNA / 繁殖成功 / ヘルパー |
Research Abstract |
本年度は、山岸、山村、中村、森、及び、研究協力者として大学院生の浅井がマダガスカルに渡航し、西部乾操林のアンピジョロア、及び、東部降雨林のラヌマファナとマスワラで現地調査を行った。アンピジョロアでは、オオハシモズ科の鳥類と、ヘビ及びトカゲを含む有鱗目の爬虫類の生態、行動調査を行った。鳥類では、センサスと個体の追跡観察により、造巣、産卵、抱卵、育雛等の繁殖活動における雌雄の役割分担、食性、群れ構成、繁殖成功などを調査した。この結果、アカオオハシモズ、シロガシラオオハシモズ、ハシナガオオハシモズ、及び、チュバートオオハシモズの繁殖習性を明らかにする多くのデータを得た。また、ヤモリやカメレオンなどの爬虫類が餌資源として利用されていることを確認した。アカオオハシモズについては、ヘルパーの存在意義を明らかにするために集中的な継続観察を行い、38グループに関して繁殖成功の結果を得た。一部の鳥類は採集して、血液を採取し、群れ内の血縁関係や種間の系統関係を調べるためのサンプルとした。爬虫類では、記号放逐法により、体温特性、サイズ、食性等を13種のトカゲと10種のヘビで調査した。また、ブキオトカゲの採餌行動を直接観察し、待ち伏せ型の捕食者であることを明らかにした。一部の爬虫類からは、種間の系統を解析するためのサンプルとして組織を採取した。マスワラでは、鳥類調査を行い、ヘルメットオオハシモズとカギハシオオハシモズの繁殖習性の観察と系統解析のための採血を行った。ラヌマファナでは、降雨林での継続的な生態調査の実現可能性に関しての予備調査を行った。帰国後、採血した鳥類のサンプルを用いてDNA分析を行い、オオハシモズ科が単系統であることを支持する結果を得た。
|
Research Products
(1 results)