2000 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける環境変化が疾病媒介蚊に及ぼす影響
Project/Area Number |
11691215
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江下 優樹 大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)
都野 展子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (60295102)
津田 良夫 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (20207393)
杉山 章 名古屋女子大学, 短期大学部, 教授 (30196761)
沢辺 京子 産業医科大学, 医学部, 助手 (10215923)
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Keywords | 東南アジア / 蚊 / マラリア / デング熱 / 環境 |
Research Abstract |
昨年度実施できなかった台湾でのマラリア媒介蚊調査を実施した。台湾南部の5カ所より採集した幼虫から成虫を羽化させ、タイ・チェンマイ系統との交雑実験を行った。サンプル数が十分でないため確定するまでに至っていない点もあるが、以下の2点が明らかになった。(1)台湾には少なくとも遺伝的に異なる2同胞種が分布している、(2)一方はタイ・チェンマイ系統と同一のspecies Aと思われるが、もう一方は、species Aとは異なり、石垣島のspecies Eとも異なる。生息地の環境を包括的かつ定量的に記載する方法を、北部タイのフィールドに適用するため、第一次のデータ収集を実施した。デング熱媒介蚊については、主にネッタイシマカを対象としてインドネシア(スラバヤ)、タイ(チェンマイ)、ベトナム(ハノイ)で形態変異の予備的調査を実施できた。その結果成虫の形態には大きな地理的変異が存在することが確認された。観察された地理的変異とこれらの地域における環境変化との関連を生態遺伝学的に分析するため、スラバヤ由来の系統を用いて、形態の違いに基づいた実験室内での選択を行っており、現在までに10世代を経過した。遺伝的にかなり均質な系統が2系統確立されつつある。これら2系統について、選択7世代目の幼虫と成虫を用いて個体群形質の比較研究を開始した。
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