2000 Fiscal Year Annual Research Report
比較社会実験研究のためのインターネット上での集団実験システムの開発
Project/Area Number |
11694001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 みどり 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (20211625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
結城 雅樹 北海道大学, 大学院・文学研究科, 講師 (50301859)
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Keywords | インターネット / 国際比較 / 集団実験 / 信頼 / 協力 / 内集団ひいき |
Research Abstract |
本研究の目的は、まず第1に、インターネットを通した国際共同実験システムを作成し、そして第2に、そのシステムを用いた国際比較実験を実施する中で、現在予想される困難への対処法を開発すると同時に、予め予想困難な新たな問題の所在を明らかにすることにある。この目的を達成するために、平成11年度には、実験システムの基本プラットフォームの作成に向けた作業が進められ、基本プラットフォームの原型版が作成された。平成12年度には、この基本プラットフォーム上で実行する国際比較社会実験の具体的計画を進め、いくつかの実験を試験的に実施することが計画され、実施された。まず、時差の少ない日本とオーストラリア間で最初の実験が実施され、インターネットを通しての同時参加型実験の実施に伴う多くの困難な問題の存在が明らかにされた。最も困難な問題は、インターネットを通したコミュニケーションの不安定性に関する問題であり、瞬時の反応を必要とする同時参加型実験の実施に際しては様々な工夫が必要となることが明らかとなった。今回の実験は瞬時の反応を必要としないため、実験はそのまま実施されたが、コミュニケーションの安定性を増すためのいくつかのプログラミング上の工夫・改良が進められた。またオーストラリア側の研究グループがプログラミングに関するサポートを十分に有していないためにいつくかの問題が生じたが、日本側のグループが現地に出向くことで問題は解決された。今後国際共同実験システムを拡張するに際して、現地でのプログラミングサポートの体制を作っておく必要があることが明らかとなった。この点は今後の課題である。現在は、アメリカのスタンフォード大学において共同実験が開始され、またコーネル大学との間で共同実験のための準備作業が進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamagishi, Toshio: "The group as the container of generalized reciprocity"Social Psychology Quarterly. 63(2). 116-132 (2000)
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[Publications] Kiyonari, Toko: "Social exchange and reciprocity : Confusion or a heuristic?"Evolution and Human Behavior. 21(6). 411-427 (2000)
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[Publications] 山岸俊男: "社会的ジレンマ-「環境破壊」から「いじめ」まで"PHP出版. 227 (2000)
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[Publications] Yamagishi, Toshio: "It takes venturing into a tiger's cave to steal a baby tiger : Experiments on the development of trust relationships. Pp.121-123 in Werner Raub and Jeroen Weesie (eds.), The management of durable relations."Thela Thesis Publisher. 24 (2000)
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[Publications] Yamagishi, Toshio: "Trust as a form of social intelligence. Pp.121-147 in Robin Cooper and Karen S.Cook (eds.), Trust in society."Russell Sage Foundation. 27 (2001)