2000 Fiscal Year Annual Research Report
多角的視点に立つ「新インド論理学史」確立のための国際共同研究
Project/Area Number |
11694005
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桂 紹隆 広島大学, 文学部, 教授 (50097903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 正浩 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70201936)
本田 義央 広島大学, 文学部, 助手 (80253037)
小川 英世 広島大学, 文学部, 助教授 (00169195)
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Keywords | インド論理学 / ウィーン大学 / ローザンヌ大学 / マギル大学 / 討論 / プラマーナ / 議論学国際学術会議 / ICANAS |
Research Abstract |
(1)研究代表者の桂は、2000年8月7-9日、東京で開催された「第一回議論学国際学術会議」で「インドにおける討論の伝統」について基調講演を行った。この会議に参加して、近年再評価されているレトリックの論理や非形式論理学が、インド論理学の分析のために導入できることを確信した。 (2)2000年8月27日〜9月2日、モントリオールで開催された「国際アジア北アフリカ研究集会」に研究組織のほぼ全員が集合した。マギル大学のギロン教授が主催した「インド論理学」のパネルで、桂は、インド論理学史を回顧するとき従来の「演繹か帰納か」という枠組みに、パースの提案した「アブダクション」という視点を導入する必要性を論じた。研究分担者の小川・稲見・本田は、それぞれバルトリハリやダルマキールティの論理的思考の分析を行った。ローザンヌ大学のティレマンズ教授は、インド論理学における<喩例>の役割についてダルマキールティを中心に論じた。オーストリア学士院のプレッツ博士は、ニヤーヤ学派の<ジャーティ>というカテゴリーの新しい評価を提示した。同じく、クラッサー博士は、ダルマキールティの<プラマーナ>(正しい認識手段)の定義をめぐる近年の論争に終止符を打つ重要な発表を行った。ギロン教授は、インド論理学史を西洋論理学史と比較して考えるとき、notationの導入の有無を考慮すべきことを論じた。学会期間中、「新インド論理学史」の執筆担当者であるギロン教授、主たる協力者であるティレマンズ教授、プレッツ博士、編集担当のブロンコースト教授などと一緒に、「インド論理学史」完成のための具体的な役割分担とスケジュールを相談した。 (3)本プロジェクトにたいする科学研究費の援助は終了するが、2001年6月ポーランドで開催される「インド論理学」のワークショップにほぼ全員が再結集して、さらに議論を深める予定であり、数年後には、新しい「インド論理学史」の完成を目指している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shoryu Katsura: "Dignaga on trairupa Reconcidered : A Reply to Prof. Oetke"インドの分化と論理(戸崎宏正博士古稀記念論文集). 241-266 (2000)
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[Publications] Shoryu Katsura: "Dharmakirtian Path to Liberation"Japanese Studies on South Asia. 5. 1-12 (2000)
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[Publications] 小川英世: "バルトリハリの<能成者>論"『インドの文化と論理』(戸崎宏正博士古稀記念論文集). 533-564 (2000)
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[Publications] Hideyo Ogawa: "Bhartrhari on the Non-distinction between Reality and Unreality"インド思想史研究(インド思想史学会). 12. 5-27 (2000)
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[Publications] 稲見正浩: "astu yatha tatha"『インドの文化と論理』(戸崎宏正博士古稀記念論文集). 359-397 (2000)
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[Publications] 稲見正浩: "シャーキャブッティとカルナカゴーミン-ジャイナ教文献中に見られる類似文"西日本インド学仏教学研究. (発表予定)1(印刷中). (2001)