2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694010
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
植島 啓司 関西大学, 文学部, 教授 (90140243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 一敏 九州大学, 文学部, 助教授 (50179321)
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Keywords | クマリ / インドラジャトラ / 大地母神 / ネパール仏教 / 処女崇拝 / マチェンドラナート / カルナマヤ / 観音信仰 |
Research Abstract |
今年度は、昨年に引き続きネパールにおけるクマリ信仰の起源をカトマンズ盆地南のブンガマティ村に探るという主題をかかげ、まずは資料の分類整理および調査計画の立案を行った。とりわけネパール固有の神格マチェンドラナートと処女神クマリとの間にかなり密接な関係があることを示唆するいくつかの伝承から、パタンにおけるラト・マチェンドラナートの祭りの調査に本格的に取りかかることになった。マチェンドラナートがブンガマティ村ではカルナマヤと呼ばれ、インドにおけるアヴァロキテシュバラ(観音)の化身であることまで(仮説的にではあるが)突きとめることはできたが、今年度はさらに4月25日〜5月10日のインド・ネパール調査を経て、クマリ信仰のインドにおける残滓(カニヤークマリ)の研究にまで踏み込んで調査する機会をもった。このことはいつ観音信仰が起こったかという問題とも絡んで、仏教研究の分野においてもかなり重大な問題提起になるのではないかと思われる。今年度はこれまでの研究をデータベース化することを中心に進められてきたが、さらに、2度にわたるインドネシア調査をふまえて、処女神信仰の構造的特質をいくつかピックアップすることができた。このことは、これまで数度にわたるインドラジャトラ祭の調査を補強する上で、きわめて重要なことのように思われる。今後は2つの神格、インドラとマチェンドラナートの神話学的な比較研究を進める必要性を感じたが、それらを前提に調査資料のとりまとめを行っていきたいと思う。
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