1999 Fiscal Year Annual Research Report
第二次大戦前の英国兵器鉄鋼産業の対日投資に関する研究-ヴィッカーズ社・アームストロング社と日本製鋼所:1907〜41-
Project/Area Number |
11694023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
奈倉 文二 茨城大学, 人文学部, 教授 (10007825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 勝彦 明治大学, 商学部, 教授 (10201849)
鈴木 俊夫 中京大学, 経営学部, 教授 (00139982)
安部 悦生 明治大学, 経営学部, 教授 (50130795)
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40194609)
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Keywords | 英国兵器鉄鋼産業 / 対日投資 / ヴィッカーズ社 / アームストロング社 / 経営戦略 / 日本製鋼所 / 英日関係 / 海軍 |
Research Abstract |
本年度は第1年度に当たるので、研究史のサーベイと並行して、研究代表者・分担者各自が役割分担に応じた調査を行った。奈倉は、従来の日本製鋼所と英国側株主との関係に関する研究成果を英文でまとめるとともに(「研究発表」欄参照)、日本製鋼所設立前後の日英関係に関する調査をPRO(Public Record Office),NMM(National Martitime Museum)等で行った。安部は、ヴィッカーズ資料(ケンブリッジ大学図書館所蔵)などにより同社の企業金融、とりわけ"principal bank"であったGlyn Mills Bankとの関係を中心に調査した。鈴木は、兵器産業と金融機関の関係という観点から次の調査を行った。(1)ヴィッカーズ資料の検索による同社保有・投資の外国政府債の実態調査、(2)ギブス商会文書(ロンドン・ギルドホール図書館所蔵)による兵器取引におけるマーチャント・バンクの関与調査、(3)PRO所蔵の株式会社登記文書から日露戦争後の対日投資を担った投資会社の具体的活動の調査。横井は、PRO等で『兵器の民間製造と貿易に関するイギリス王立調査委員会』関係資料の調査を実施し、1930年代の武器輸出問題の実態を確認した。小野塚は、三菱長崎造船所史料館、TWAS(Tyne & Wear Archives Services)等の調査により次の点を確認した。(1)三菱造船所の技士・職工の海外出張者が「金剛II」建造(バロウ造船所)時期に顕著に多く、その後新興造船所に引き抜かれた者が多いことは、「金剛II」同型艦建造が日本海軍および民間造船所に与えた技術的影響の大きさを表していること。(2)ヴィッカーズ社が1900年代後半辺りからアームストロング社に市場や利潤を分割する協定締結を呼び掛けており、アームストロング側も必ずしも拒否していないこと。Trebilcockは、英国兵器産業史に関するサーベイを行い、とかく議論になる兵器産業と国家・政府との関係を他の諸国(とりわけ後発的な資本主義諸国)と対比して示す小論文をまとめた(近く発表予定)。
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Research Products
(1 results)