2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北山 忍 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20252398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐澤 真弓 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60255940)
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Keywords | 文化 / 認知 / 感情 / 注意 / 発話 / 理解 |
Research Abstract |
本年度は、次の3点に関して一定の成果をあげることができた。 1.日本語、英語における標準的刺激の作成 われわれがこれまでに収集したデータの問題は、日本語と英語の刺激の性質が完璧に統制されていたわけではないことであった。この問題を解決するために、1)日米で単語の感情価が等しく、2)日米で語調の感情価も等しく、しかも、3)2つの感情価の極端さも同等である刺激セットを作成した。さらにその際、バイリンガルの男女を用いて、声の性質も両言語で同じにした。 2.日米におけるストゥループ実験 このようにして作成された刺激を用い、日米でストゥループ実験を遂行し、アメリカ人は、語調より単語の意味を無視する方に、日本人は単語の意味よりも語調を無視する方に、それぞれ困難を示すことを示した。これは、これまでのデータと一致するものである。 3.言語相対性と文化相対性 2で示した文化差は、言語によるものなのか、あるいは言語を含むより広い文化によるものなのかを特定することは容易ではない。しかし、われわれは、外来語として英語が日常の文化慣習に定着している文化において同様の実験をすることにより一定の知見を得ることができると考えた。その目的のために、フィリピンに住むフィリピン人を被験者とした。かれらの母国語はタガログであるが、同時に歴史的経緯から、英語が高等教育場面では特に定着している。もし、上記の文化差が言語によるものであるとしたら、フィリピン人も英語刺激に反応した場合には、言語有意の反応を示すことであろう。しかし、その文化差が文字通り文化によるものであれば、言語に関わらずフィリピン人は語調優位のパターンを示すことであろう。結果は、文化相対性を強く示唆した。つまり、言語に関わらず、フィリピン人は語調優位のパターンを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 北山忍,宮本百合: "文化心理学と洋の東西の巨視的比較."心理学評論. 43. 57-81 (2000)
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[Publications] Kitayama,S.,& Ishii,K: "Word and voice : Spontaneous attention to emotional utterances in two languages"Cognition and Emotion.. (in press).
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[Publications] Mesquita,B.,& Karasawa,M.: "Culture and emotion."Cognition and Emotion.. (in press).
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[Publications] Kitayama,S.: "Cultural variations in cognition : Implications for aging research In Stera (ed.), The aging mind : Opportunities in cognitive research"National Academy Press. 280 (2000)
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[Publications] Ishii,K.,& Kitayama,S: "Spontaneous attention to emotional speech in Japan and the United States In G. Hatano et al. (Eds.), Affective minds"Oxford : Elsevier Science.. 300 (2000)