2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694039
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
杉島 正秋 朝日大学, 法学部, 助教授 (90196725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 満 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (10111709)
常石 敬一 神奈川大学, 経営学部, 教授 (00039786)
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Keywords | 生物兵器 / テロリズム / 感染症 / 大量破壊兵器 / 軍縮 |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年度は、各自の専門領域について研究・分析を継続するかたわら、成果のとりまとめに着手した。これまでの作業を通じて、研究組織メンバーの間には、(1)バイオテロは社会全体に対する攻撃であり、社会全体の感染症に対する抵抗力を向上させることが必要不可欠である、(2)そのためには、専門家や専門施設の対応能力を向上させることはもちろん、まず標的される一般市民にも、バイオテロの危険性について認識を深めてもらう必要があること、(3)散発的な対応ではなく、継続的で組織的な対応が必要である、という点で共通認識を形成できた。 なお助成期間が終了問際となった昨年秋、懸念されていた炭疽テロが米国で現実のものとなり、バイオテロをとりまく環境には大きな変化が生じた。研究グループは現在、この問題の情報収集・分析作業を遂行中であり、その作業が終了しだい、その知見をもりこんで、日米両国政府へ、バイオテロ対策に関する最終的な提言を行うことにしている。メンバーがこれまでに行った提言は、研究報告書(第3章)に収録してある。 今年度も、前年度同様、学会報告、シンポジウム等を通じて、本共同研究の成果を専門家・一般市民へ還元するよう心がけた。3月30日に常石が主催して、平塚市においてバイオテロに関するシンポジウムを開催すべく現在準備中である。また、炭疽テロの発生に際して、研究組織メンバーは、新聞・雑誌・テレビ等内外の各種メディアを通じて発言を行い、バイオテロについて一般市民が正しい認識を深めてもらえるように務めたことを付言しておく。 なお、協力者のレイモンド・ジリンスカス(モントレー研究所)は、2月21日に第6回アジア太平洋災害医療学会(福岡)で、"Preparedness for Biological Disaster in Japan and the United States"と題して研究成果の報告を行った
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 杉島 正秋: "国際関係法の構造と機能"城忠彰編『国際関係法への招待』創言社. 1-18 (2002)
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[Publications] 常石 敬一: "寿命の長さで兵器になった炭疽菌"世界週報. 82(43). 16-19 (2001)
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[Publications] 常石 敬一: "テロリストの毒物と生物化学兵器"『アメリカVS.イスラム』講談社. 111-116
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[Publications] Masaaki Sugishima: "Disarmament at the End of Millennium"Ritsurneikan Journal of International Relations and Area Studies. Vol.20. (2002)
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[Publications] 黒沢 満: "軍縮をどう進めるか 大阪大学新世紀セミナー"大阪大学出版会. 83