2000 Fiscal Year Annual Research Report
スローン・デジタル・スカイ・サーベイによる天文学研究
Project/Area Number |
11694069
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池内 了 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 真木 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40216528)
福来 正孝 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40100820)
岡村 定矩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20114423)
土居 守 東京大学, 天文学教育研究センター, 助教授 (00242090)
市川 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80212992)
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Keywords | デジタル・スカイ・サーべイ / クェーサー / 銀河の光度関数 / 測光観測 / 天体識別 / CCDカメラ / すばる望遠鏡 |
Research Abstract |
スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)は、2000年春よりコッミッショニング・ステージを迎え南天域のサーベイ観測を続行するとともに、興味ある天体についてはAPO(アパッチ砦天文台)の口径3・5m望遠鏡を使って分光観測を行い、期待通りの成果を挙げつつある。これまでの重要な成果の1つは、クェーサーの系統的な探査で、赤方偏移が5以上のクェーサーを5個発見(最高はz=5・8)するとともに、新たに500個以上のクェーサーを発見しており、北天域のサーベイが本格的に進めば、10万個以上のクェーサー・カタログを完成させることができ、光度関数や空間分布などについての信頼できるデータが得られることが確実となった。また、思いがけない発見として、銀河系ハロー部にT型あるいはL型の矮星が多数存在していることが明らかになり、今後それらの分布や運動を調べることにより、ハローにおける星形成史や矮小銀河の融合などについての重要な知見が得られる見込みである。また、銀河の測光観測によって、通常の銀河とは色や明るさが異なった銀河も多く観測され、従来の銀河分類や進化に大きな変更を迫ることになると期待されている。これらのSDSSの初期成果は、天体を同時に5色で撮像し色分布を詳しく比較できる有利さによってもたらされたもので、当初の計画が極めて成功裏に進んでいることを示している。むろん、現在は、まだデータ集積の段階でそれらの天文学的な研究は今後急速に推進されていくだろうが、2002年冬から本格的な北天域の観測が進めば、膨大で均質な銀河・クェーサー・恒星のデータが得られることは間違いない。SDSSの日本推進グループ(JPG)は、それらのデータを下に「すばる望遠鏡」によってフォローアップ観測を行うことを今後の主要な目標としている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] X-h Fan et al: "High-Redshift Quasars Found in Sloan Digital Sky Survey Commissioning Data II"Astronomical Jourrnal. 119-1. 1-12 (2000)
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[Publications] X-h Fan et al: "L Dwarfs Found in Sloan Digital Sky Survey Commissioning Imaging Data"Astronomical Journal. 119-2. 928-937 (2000)
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[Publications] Z.Ivezic et al: "Candidate RR Lurae Stars Found in Sloan Digital Sky Survey Commissioning Data"Astronomical Journal. 120-2. 936-974 (2000)
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[Publications] X-h Fan et al: "The Discovery of a Luminous z=5.8 Quasar from the Sloan Digital Sky Survey"Astronomical Journal. 120-3. 1167-1174 (2000)
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[Publications] W.Zheng et al: "Five High-Redshift Quasars Discovered in Commissioning Imaging Data of the Sloan Digital Sky Survey"Astronomical Journal. 120-4. 1607-1616 (2000)
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[Publications] D.P.Schneider et al: "Discovery of a Pair of z=4.25 Quasars from the Sloan Digital Sky Survey"Astronomical Journal. 120-6. 2183-2190 (2000)