1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥田 勉 広島大学, 理学部, 教授 (20033847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 康治 広島大学, 理学部, 助教授 (10166704)
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Keywords | 相転移 / NMR / NQR / 無限網目構造 / イオン伝導性 / イオン運動 |
Research Abstract |
14族元素のハロ錯体では,CH_3NH_3GeCl_3及びその重水素化物であるCD_3ND_3GeCl_3についてDTA,NMR,NQR,X線構造解析からイオンの運動と相転移や電気伝導性の関連について調べた。その結果,温度が上昇するとCH_3NH_3塩は206K,352K,396K,CD_3ND_3塩は203K,349K,455K,で単斜晶系から斜方晶系,さらに三方晶系,立方晶系へと相転移する。イオン導電率はいずれも三方晶系への転移で急激に上昇したが,超イオン伝導性を示す立方晶への転移はCD_3ND_3塩については転移温度と融点が近いため確認できなかった。イオン伝導機構はどちらも塩化物イオンの拡散によると考えられる。カチオンの運動はいずれも三方晶相転移までは3回軸周りの再配向,三方晶転移後は等方性の再配向運動が主であり,CH_3NH_3塩では一部拡散も起こっている。H^1,H^2 NHRとCl^<35> NQRから,斜方晶への転移はカチオンの3回軸周りの再配向運動(活性化エネルギーEaは5,5kJ/mol,7.8kJ/mol),三方晶への転移はアニオンの3回軸周りの再配向運動(Eaはいずれも60kJ/mol),立方晶への転移はカチオンの等方性再配向運動(CH_3NH_3塩に対してEaは38kJ/mol)が起因していると考えられる。重水素化すると立方晶への転移温度が高温側に大きくシフトするが,これは慣性モーメントの違いが影響していると思われる。来年度にはこの点をもう少し検討したい。 13族元素のハロ錯体RM_2Br_7(R=Li,Ag;M=Al,Ga)についてもNQR,NMRよりイオンの運動を調べた。MBr_3グループのBr^<81>NQRスピン-格子緩和時間はカチオンの拡散による変調効果によるものであった。'Li NMRの線幅は高温では0.4kHzとなり,Li^+の拡散を示しており,この錯体ではカチオンを担体とするイオン伝導であることがわかった。
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[Publications] Yasumasa Tomita: "Dynamic Behavior in Bromocomplexes of the Group 13 Elements as Studied by NQR and NMR"Zeitschrift fur Naturforschung. 55a (in press). (2000)
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[Publications] Yasumasa Tomita: "Ionic conductivity and structure of halocomplex salts of group 13elements"Solid State Ionics. (in press). (2000)