2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694092
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
広瀬 立成 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (70087162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦川 順治 KEK, 加速器施設, 助教授 (00160333)
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学総合センター, 教授 (70158608)
汲田 哲郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30271159)
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Keywords | コンプトン散乱 / 非線形効果 / 短パルスX線 / TWレーザー / プラズマチャネル |
Research Abstract |
日本では、KEK-ATFダンピングリング下流において、レーザー・コンプトン散乱実験を進めた。衝突ルミノシティーの向上を図るために、レーザーと電子ビームの正面衝突とガンマ線の180度方向の引き出しを可能にするコンプトンチェンバーを設計・製作した。これは、ドーナツ状に変形したレーザービームを、中心に穴のあいた放物ミラーによって反射させ収束させるというもので、15cmの焦点距離を実現しレーザーを5μmに絞ることができる。これを用いて、コンプトン散乱実験を実施し、26psecの超短バンチで、バンチ当たり10^5個のガンマ線を生成した。 BNL-ATFにおいて、炭酸ガスレーザーと60MeV電子線のコンプトン散乱実験を実施し、短パルス(3.5ps)X線生成に成功した。生成光子数は3x10^7で、パルスあたりのX線強度では世界最高の強度を達成した。現在、600MWのレーザーを1TWに増強中であり、近々、コンプトン実験を行う予定である。これにより、10^<10>個以上の光子生成が可能となり、また、非線形効果について、世界初の定量的な検証実験が期待される。なお、偏極ガンマ線生成には、非線形効果を極力抑制しなければならないが、そのためには、レーザーと電子ビームの衝突効率を高める必要がある。我々は、プラズマチャネルによるレーザービームの絞り込みを実現し、プラズマ中でのコンプトン散乱を実現させるという新しい方法を提案し基礎研究を進めた。とくに、炭酸ガスレーザーが要求する、10^<17>cm^<-3>という低密度プラズマの生成に成功し、リニアーコライダーのための超高強度偏極ガンマ線生成に明るい見通しを得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Hirose 他8名: "Polarized positron source for the fure linearcollider, JLC"Nucl.Inst.& Meth.Phys.Res.A. 455. 15-24 (2000)
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[Publications] T.Hirose: "generation of polarized positrons"Proc.of Int.Conf.Laser'99(Quebec, Canada). 294-297 (1999)
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[Publications] T.Hirose 他8名: "generation of positrons via paircreation…"Nucl.Inst & Meth.Phys.Res.A. 437. 169-177 (1999)
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[Publications] T.Hirose 他18名: "Demonstration of 8×10^<18> photons/second…"Phys Res.ST Accel.Beams. 3-090702. 1-8 (2000)
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[Publications] T.Hirose 他18名: "Evaluation of extremely small horizontal emittance…"Phys Res.ST Accel.Beames. 2-022801. 1-9 (1999)
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[Publications] 広瀬立成: "コンプトン散乱:新しい光を求めて"日本物理学会誌. 54. 862-868 (1999)