1999 Fiscal Year Annual Research Report
太陽電池用シリコンの方向性凝固による高純度化と凝固残留応力の制御
Project/Area Number |
11694128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香川 豊 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50152591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 雄彦 株式会社 アイアイエスマテリアル, 研究部, 主任研究員
池田 貴 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30212773)
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)
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Keywords | シリコン / 太陽電池 / 電子ビーム / 真空精製 / 凝固精製 / シュミレーション / 連続鋳造 / 応力 |
Research Abstract |
小型電子ビーム溶解装置を用いたシリコンの精製実験では、ドーパントとしてアンチモンを含んだスクラップシリコンの精製に関する実験を行った。抵抗率の測定と化学分析を行った結果、初期アンチモン濃度は、70ppm、抵抗率は0.01Ωcm程度であった。約30gのシリコンを電子ビームの出力2KW-5KWで所定時間溶解した後中心部を切り出し分析した。いずれの出力でも150秒以内にアンチモン濃度は1ppm以下になり、抵抗率は1Ωcm以上の値を示した。この値は、太陽電池用シリコンの抵抗率としては許容範囲内にある。また、溶解実験中の蒸発速度から、Herz-Kundsenの式を用いて表面温度の推算、およびシリコン中のアンチモン活量の推算を行なった。その結果、この実験条件において表面温度は2kwで1920℃、5kwで1990℃であった。また、活量係数は0.004-0.007程度の値であった。2000年3月22日から3月27日モントリオール工科大学のペルトン教授を招聘し、熱力学的な検討を行った。 小型装置での連続鋳造を行い、鋳造中の温度測定を試みた。ボトム(スタート材料)部の改良を行い、黒鉛ボトム内2ヶ所の温度および水冷銅ボトムサポーター部の温度を測定した。 モデル化、伝熱解析、応力解析については、1999年12月11日から19日の間、池田 貴がブリティッシュコロンビア大学へ行き、モデル化と伝熱解析について検討した。この時点では、連続鋳造前の予備実験データと計算結果との比較検討を行い、電子ビームの入力とボトム部の境界条件を決定した。 2000年1月12日から1月19日は、ブリティッシュコロンビア大学のスティーブ・コッククロフト、ダーン・メイヤーを東京大学生産技術研究所へ招聘した。ここでは、上に述べた予備的な比較から得られた境界条件等を元に連続鋳造実験で得られた測定温度結果と数値計算結果との比較検討を行った。改善の余地はあるが伝熱解析のモデルの妥当性を確認し、計算結果と測定結果とは比較的よい一致を示した。
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Research Products
(1 results)