2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ構造設計による低交流損失高温酸化物超伝導線材開発のための基礎研究
Project/Area Number |
11694139
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塚本 修巳 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30017975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 尚之 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (10222697)
住吉 文夫 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20136526)
太田 昭男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10124728)
熊倉 浩明 金属材料技術研究所, 第1研究グループ, 第2サブグループリーダ
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Keywords | 高温酸化物超伝導 / 交流損失 / ミクロ構造 / イットリウム系線材 / バリア線材 / ビスマス銀シース線材 / 磁化損失 |
Research Abstract |
本年度の研究活動により,下記のような研究成果をあげることができた. 1.交流損失に関するワークショップ(Workshop on AC Losses:WACL2000,平成13年10月18〜19日)の開催 WACL2000を塚本が代表者となり,横浜国立大学で開催した.その折り,本研究課題関係のヨーロッパ側研究者4名が出席し,日本側研究者と情報交換,討論により下記内容の成果を得た. ・M.Polak:Bi系銀シース線材を長さ方向に切断する方法で線材断面における臨界電流密度(Jc)分布を調べ,交流通電損失との関係を調べた.この結果,損失の低減のためにはテープ線材の端部における臨界電流密度を高める必要があることが分かった. ・B.ten Haken:電力ケーブルに使用される,外部磁界状での線材に生じる損失を測定する装置を開発している.この測定装置により,線材にあらゆる方向の磁界を印加して損失を計測することができる.この成果は今後の研究に多くの知見を与えるものと考えられる. ・B.A.Glowacki:YBCO薄膜線材において,磁性材料薄膜と複合させた分割ストリップ構造にすることにより交流損失を低減する方法を提案した. ・G.Wizt:バリア線材の開発状況を紹介し,開発課題を明らかにした.これにより低交流損失線材の開発の方向性が明らかになった. 2.日本側研究者のヨーロッパ訪問 ・塚本:ケンブリッジ大学及びスロバキア科学アカデミー電気工学研究所を訪問し先方の研究者とYBCO線材の交流損失低減方法及び線材のJc分布と交流損失との関係に関して討論を行った. ・太田:スロバキア科学アカデミー電気工学研究所及びケンブリッジ大学を訪問し,線材の微細構造と通電特性,交流損失特性に関して研究情報の交換を行って,今後の研究の方向性を検討した. ・雨宮:スロバキア科学アカデミー電気工学研究所及びオランダのトウェンテ大学を訪問し,線材のJc分布の測定に関し情報交換を行った.トウェンテ大学の磁気ナイフ法によるJc分布測定法の日本への導入を行った. ・熊倉:ジュネーブ大学,ケンブリッジ大学を訪問し,線材の微細構造とピン留め特性との関係,交流損失特性との関係について研究情報交換を行い,今後の研究の方向性を検討した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] O.Tsukamoto: "Study on Relation between AC Characteristics and Critical Current Distribution in YBCO Tape"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. 10・1. 1208-1211 (2000)
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[Publications] O.Tsukamoto: "Study on Frequency Dependence of AC Transport Current Losses in HTS"Proceedings of ICEC 18. 191-194 (2000)
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[Publications] N.Amemiya: "Filament decoupling and magnetization loss of multifilamentary Bi2223 superconducting tapes"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. 10・1. 1204-1207 (2000)