高エネルギープラズマプロセスによる高機能傾斜材料の創製に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11694160
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 小林 明 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (70110773)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 宮田 昇 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10026221) ; 黒田 敏雄 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (00107096) ; 奈賀 正明 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (00005985)
• Keywords: 高エネルギープラズマプロセス / 高機能傾斜材料 / ガストンネル型プラズマ溶射 / ジルコニア複合皮膜 / 高硬度皮膜

Research Abstract

研究代表者等が4月に米国UCLAにおいて今年度の研究計画についての打ち合わせを行い、以下に示す研究成果を得た。
1.日本側ではガストンネル型プラズマ溶射により、傾斜機能強化のためジルコニア、アルミナ混合粉末を種々の実験条件下で溶射して皮膜硬度の傾斜機能性を調べ、昨年度の結果と比較した。特に、溶射回数が増えるとジルコニア複合皮膜の傾斜機能性が向上するが、表面硬度の上昇の原因として膜の厚さの影響が非常に強いことがわかった。その複合膜の組織・構造についても気孔の分布などから検討した。
2.相手側を訪問しプラズマ溶射による熱遮蔽皮膜(TBC)及びWC/Ni/Co混合皮膜作製の実験研究に加わり、その結果と日本で得られたジルコニア複合皮膜と比較するとともに、高エネルギープラズマを用いた傾斜材料の高機能化について検討した。
3.米国側ではジルコニア傾斜機能皮膜(TBC)、WC/Ni/Co混合皮膜等の実験研究を進め、膜品質を向上させた。また、プラズマ溶射プロセスによるジルコニア・アルミナ複合皮膜についてのモデリングを行ない、その熱伝導特性の非等方性を検討するなど理論的研究を進めた。
4.日本を訪問し、これまでの実験結果をもとに高エネルギープラズマプロセスによるジルコニア複合皮膜の傾斜機能向上についての討議を行った。また、日本側の実験にも加わり、プラズマプロセスのメカニズムについて実験的・理論的に検討した。
5.以上の研究成果を2001年3月研究講演会で発表し、ジルコニア複合皮膜の緻密性、耐摩耗性、高温耐食性の改善について討議した。

Research Products

• [Publications] Akira KOBAYASHI: "Corrosion resistance of TiN coatings produced by various dry processes"Surface and Coating Technology. No.136. 207-210 (2000)
• [Publications] Akira KOBAYASHI: "Formation of TiN coatings by gas tunnel type plasma reactive spraying"Surface and Coating Technology. No.132. 152-157 (2000)
• [Publications] Shahram Sharafat: "Production of high-density Ni-bonded tungsten carbide coatings using an axially fed DC-plasmatron"Surface and Coating Technology. No.130. 164-172 (2000)
• [Publications] Akira KOBAYASHI: "Effect of heat treatment on high-hardness zirconia coatings formed by gas tunnel type plasma spraying"VACUUM. No.59. 194-202 (2000)
• [Publications] Shahram Sharafat: "Development of composite thermal barrier coatings with anisotropic microstructure"VACUUM. No.59. 185-193 (2000)
• [Publications] 小林明: "ガストンネル型プラズマ溶射により作製した傾斜機能ジルコニア皮膜の性質"高温学会誌. Vol.25. 316-320 (2000)
• [Publications] Thomas T.MEEK: "Functionally Graded Thermal Sprayed Coatings via Hybrid Injection of Powders"プラズマ応用と複合機能材料. Vol.10. 3-8 (2001)
• [Publications] 小林明: "高エネルギープラズマによるFe膜の磁気特性"プラズマ応用と複合機能材料. Vol.10. 59-62 (2001)
• [Publications] 小林明: "高硬度ジルコニア複合皮膜の傾斜機能性の改善"プラズマ応用と複合機能材料. Vol.10. 75-78 (2001)
• [Publications] 黒田敏雄: "三次元像再構築による二相ステンレス鋼の水素脆化破面の解析"プラズマ応用と複合機能材料. Vol.10. 87-88 (2001)
• [Publications] 宮田昇: "インデンテーション法によるセラミックスの力学的特性評価"プラズマ応用と複合機能材料. Vol.10. 91-94 (2001)
• [Publications] 小林明: "Progress Report No 3."セイエイ印刷. 165 (2001)