1999 Fiscal Year Annual Research Report
連続混合体速度論を利用したプラスチックの超臨界ケミカルリサイクルシステムの構築
Project/Area Number |
11694170
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 元信 熊本大学, 工学部, 助教授 (80170471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 勉 熊本大学, 工学部, 教授 (40037841)
児玉 昭雄 熊本大学, 工学部, 助手 (30274690)
|
Keywords | 超臨界流体 / ケミカルリサイクル / 連続混合体速度論 / 分子量分布 / モノマー化 / 速度解析 / 超臨界メタノール / 超臨界水 |
Research Abstract |
プラスチックのケミカルリサイクル法の開発が望まれており、モノマー化に対して種々の方法が検討されているが、超臨界流体中での反応を利用する方法が注目を集めている。また、反応過程を評価できる方法が必要であるが、従来からの理論ではポリマーを表現することが容易ではなく、連続混合物速度理論を適用することが最適と考えられる。そこで、本研究は超臨界流体反応と連続混合体速度理論を反応プロセスに適用し、プラスチックスのリサイクルシステムの構築の研究を目的とし、実験とデータを解析、最適化する理論的展開を実施した。 実験として、超臨界メタノール中でのメタノリシスによるPETのモノマー化反応、超臨界水中での加水分解によるナイロン6およびナイロン66のモノマー化反応をバッチ反応器を用いて行った。分解過程での分子量分布の経時変化をサイズ排除クロマトにより追跡し、モノマー成分ならびに副反応生成物の濃度変化を液クロ、ガスクロなどにより追跡した。 実験結果を解析するための理論である「連続混合体速度理論」を展開した。本理論はポリマーからオリゴマーを経てモノマーに至る分子量分布の変化を表すことができ、さらにモノマーの生成、各種副反応を表すことができるものである。連続分布関数を用いた連続微分方程式からなる数学モデルを導出し、モーメント解析を駆使することにより実験データの解析に用いることができる理論を展開した。また、本理論をPETの分解反応の解析に適用した。 実験は熊本大学で行い、理論構築のためにカリフォルニア大学デービス校を訪ね、共同研究者であるMcCoy教授とともに理論的考察を行った。
|
-
[Publications] 後藤 元信: "超臨界流体によのり縮重合系プラスチックのモノマー化"ケミカル・エンジニヤリング. 44・9. 691-696 (1999)
-
[Publications] Motonobu Goto et al.: "Inverse size-exclusion chromatography for distributed pore and solute sizes"Chemical Engineering Science. 55・4. 723-732 (2000)
-
[Publications] 後藤 元信: "超臨界流体中での廃プラスチックのモノマー化"化学. 54・6. 64-65 (1999)
-
[Publications] 後藤 元信 他: "超臨界メタノールおよび超臨界水によるPETの分解"化学装置. 41・2. 47-51 (1999)