1999 Fiscal Year Annual Research Report
次世代交通情報自動交換システムのための高度車両搭載機器間通信方式の開発
Project/Area Number |
11694180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岡田 博美 関西大学, 工学部, 教授 (10093387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 一 関西大学, 文学部, 助教授 (60268307)
六浦 光一 信州大学, 経済学部, 教授 (00106147)
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Keywords | 高度道路交通システム(ITS) / アドホック形無線ネットワーク / 車載コンピュータ / 車載機器間通信(車々間通信) / ブロードキャスト通信 / 送信電力制御 / TRAP方式 / 車両位置計測 |
Research Abstract |
高度道路交通システム(ITS)が現在盛んに研究・開発されているが、主にハイウエイを中心とした交通情報や自動料金課金・完全自動走行などであり、巨大な基盤システムを要するものである。本研究では、車両に搭載された情報通信機器が運転者を介さずに自動的に車両位置・速度・目的地その他の走行・運行情報を無線通信を用いて交換する車載機器間通信を目指したものである。この技術により見通しの悪い交差点・トンネルなどの事故回避や緊急車両の事前認知などの走行安全性、渋滞や故障・交通規制など秒単位のリアルタイム情報を用いた制御による運行効率性が期待される。しかし通信周波数帯域や機器コストなどの制約下で、近隣を走行する膨大な数の車両と効率的で信頼性の高い情報通信を実現するため、従来の通信方式とは異なった全く新しい通信形式の開発が必要となる。本研究はパケット無線を基に競合形ブロードキャスト通信により車載機器間通信の実現を検討したものであり、本年度の研究成果は以下となる。 1)受信情報から周辺の車両密度を推定し、送信電力を制御することにより、動的に適正な通信性能を維持することを試みるTRAP(TRAnsmission Power Control)方式を提案した。また1Km×1Kmエリアの縦・横方向に4車線各1本、2車線各4本、合計10本の道路で構成された交通網シミュレータを開発し、数千台単位の車両が平均40Km/hで走行する場合の車載機器間通信性能を計測し、提案方式の有効性を検証した。 2)膨大な近隣からの受信情報より、緊急に必要な情報を選別するフィルタ機能とパケットデータグラム形式の提案を行った。さらに併走する車群の間で自己組織的なクラスタ構成形式(プラトーニング)を提示した。 3)モバイル通信における各種情報の蓄積・検索・処理を効率的に行う分散ファイルシステムの設計モデルを構築し、最適設計ならびに最適化近似手法の検討を行ない、モデルの有効性と近似解析の有用性を確認した。 4)無線伝送路の事変的な通信品質に応じて、データの信頼性を維持する動的誤り制御方式を提示した。
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[Publications] Tomoyuki Tsuchiya: "Transmission Power Control Depending on Receiving History over Inter-Vehicle Communications -TRAP Scheme-"Proc. Of IEEE/IEICE ICCC'99. 99-1. 57.1-57.8 (1999)
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[Publications] Kentaro Yamada: "An Integrated Dynamic Error Control Scheme for ATM Wireless Networks"電子情報通信学会 英文論文誌. E82-A. 1261-1268 (1999)
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[Publications] Tetsuya Yamashita: "Mobile Multimedia Access Protocols in Packet-typed Wireless Networks"電子情報通信学会 英文論文誌. E83-B. 56-67 (2000)
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[Publications] Akiko Nakaniwa: "Sensitivity Analysis of File Allocation for Distributed Information Networks"Proc. Of IEEE ICC'1999. 99-2. 1339-1345 (1999)
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[Publications] Yasuhide Komiya: "Uplink Performance of RAMCS/CSMA Considering Propagation Delay"Proc. Of IEICE ITC-CSCC'99. 99-1. 150-153 (1999)
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[Publications] 山田健太郎: "Broadcasting Protocols based on GPS Technology for Inter-Vehicle Communication"電子情報通信学会 技術報告 予稿集. RCS99. 61-68 (2000)