1999 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系成分核遺伝子群の発現制御機構に関する国際共同研究
Project/Area Number |
11694190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50185667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 歩 北海道大学, 低温化学研究所, 教授 (10197402)
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Keywords | 光化学系 / コアプロモーター / TATAボックス / クロロフィル / クロロフィルaオキシゲナーゼ / 集光性アンテナ複合体 / シロイヌナズナ / クラミドモナス |
Research Abstract |
平成11年度は6月にMelis教授が来日し、北大の田中と名大の小保方を訪ね、研究上のディスカッションとセミナーを行った。また、7月には小保方がドイツにOelumuller教授を訪ね、共同研究の手筈について打ち合わせを行うとともに、イエナ大学でセミナーを行った。11月には小保方の代理として名大の中邨がOelumuller教授の研究室に滞在し、共同実験を行った。また、平成12年2月〜3月にかけて、Oelumuller教授が来日して小保方の研究室に滞在し、共同研究を行うとともに、セミナーを開催した。これらの共同研究の結果、次のような成果が得られた。 (1)小保方とOelumuller教授は共同で、シロイヌナズナの12種類の光化学系遺伝子の転写開始点付近の構造を解析し、光化学遺伝子群はTATAボックスを欠いた特有なコアプロモーター構造をもっていることを世界で初めて明らかにした。また、このうち10種類の遺伝子について実際にプロモーターを単離し、これらのプロモーターの構造と機能を包括的に解析するための実験系を作成した。 (2)田中は緑藻のChlamydomonasでクロロフィルaからクロロフィルbを合成する酵素(CAO=chlorophyll a oxygenase)を欠損した突然変異株を単離した。この株の光化学系のアンテナをMelis教授がカリフォルニア大学の研究室で解析したところ、従来の定説に反して、(1)光化学系lのアンテナはクロロフィルbが全くなくとも正常に形成される、(2)光化学系llのアンテナも少量のクロロフィルルaがあれば安定化される、という知見を明らかにした。 (3)小保方はMelis教授と共同で、光化学系lと光化学系llを選択的に励起する特殊な発光ダイオード光源を作製した。
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Research Products
(1 results)