2000 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系成分核遺伝子群の発現制御機構に関する国際共同研究
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11694190
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小保方 潤一 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50185667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 亮一 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20311516)
田中 歩 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10197402)
中邨 真之 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60322145)
杉浦 昌弘 名古屋市立大学, システム自然科学研究科, 教授 (80027044)
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Keywords | 光化学化 / コアプロモーター / 遺伝子転移 / 光強度 / クロロフィルaオキシゲナーゼ / 集光性アンテナ複合体 / RNAエディティング |
Research Abstract |
平成12年度は田中亮一(7/14〜23)、小保方(1/21〜27)、田中歩(2/16〜23)がそれぞれ渡米し、カリフォルニア大学のMelis教授と研究上の打ち合わせ及び共同実験を行った。また、イエナ大学のOelmuller教授が名古屋大学に滞在(2/19〜3/3)し、小保方らと共同実験を行った。また、これらの訪問の際にはそれぞれ相手先の研究室主催で公開セミナーを行った。また、国内研究分担者の中邨(名大)、杉浦(名市大)、田中歩(北大)、田中亮一(北大)らの間では学会等の機会を使って頻繁に研究打ち合わせを行った。その結果、本年度は以下のような研究成果が得られた。 (1)昨年度の研究で植物の光化学系核遺伝子群には特有なプロモーター構造/構成があることを突きとめたが、この特徴はオルガネラゲノムから核ゲノムヘ転移した遺伝子群が新たにプロモーターを獲得する機構と関係があることを示す知見を得た。また、10種類ほどの遺伝子のプロモーターについて、トランジェント発現系等を用いた機能解析を進めた(小保方、中邨、Oelumullerら) (2)緑藻のDunaliellaには外界の光強度に応じて集光性アンテナ複合体の大きさを制御する機構のあることが知られているが、この機構にクロロフィルaオキシゲナーゼ遺伝子が関与していることを突き止めた。(田中亮、田中歩、Melisら) (3)緑藻のChlamydomonas等を用いて、光化学系核遺伝子群の光応答には、フィトクロムなどの光受容体を介するシグナルの他に、光合成の電子伝達系から発せられるシグナルが関与していることを明らかにした。(小保方、中邨、Oelmuller、Melisら) (4)葉緑体ゲノム上の光化学系遺伝子群にみられるRNAエディティングには核ゲノムにコードされている遺伝子特異的トランス因子が関与していることを示した。(小保方と杉浦ら)
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Miyamoto,T.,Nakamura,T.,Nagaio,I.and J.Obokata: "Quantitative analysis of the transiently expressed mRNAlevel in particlebombarded tobacco seedlings."Plant Molecular Biology Reporter. 18・2. 101-107 (2000)
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[Publications] Oster,U.,R.Tanaka,A.Tanaka,and W.Rudiger: "Cloning and functional expression of the gene encoding the key enzyme for chlorophyll b biosynthesis (CAO) from Arabidopsis thaliana."Plant J.. 21. 305-310 (2000)
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[Publications] Polle,J.,E W.Benemann,R.John,A.Tanaka and A.Melis: "Photosynthetic apparatus organization and function in the wild type and a chlorophyll b-less mutant of Chlamydomonas reinhardtii."Planta. 211. 355-344 (2000)