2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 定顕 京都大学, 農学研究科, 講師 (00026593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 洋一 京都府立大学, 農学部, 教授 (80046490)
北川 政幸 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00144923)
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Keywords | モンゴル / 遊牧家畜 / 季節成長パターン / 産肉効率 / 体構成 / 冬期補助飼料 / 採食草量 / 食道フィステル |
Research Abstract |
1.放牧管理:前年度に引き続きゴビ地域遊牧民が一般的に行っている季節移動型の輪換放牧を行い、2週間隔で体重測定を行った。体重減少が始まった2000年11月末から2001年4月末まで給与区の羊には維持量相当の乾草及びばん砕小麦を補助給与した.2000年11月末の冬期補助飼料給与開始時の平均体重は給与区、対照区それぞれ41.47±3.72Kgおよび47.92±2.79Kgであったが、翌年4月末までの冬期補助試料給与期間の体重減少はそれぞれ2.07±1.08kgおよび4.02±1.42kgで有意に(P<0.01)体重減少の抑止がみられたが、4月以降試験終了時の11月末までの増体量はそれぞれ7.49±32.16および9.85±2.71kgで対照区は給与区に比べ高い増体を示した.2000年11月末から2001年11月末までの1年間の平均増体量は給与区、対照区それぞれ7.48±7.65kg、6.30±2.55kgであった. 2.屠殺解体試験:試験開始時の体構成を測定する目的で、開始時、4月、11月に対照区、給与区から各8頭を屠殺し内蔵重量・枝肉重量を測定した。屠体左半丸については、骨・筋肉・脂肪に分け重量を測定した。枝肉構成を平均重量でみると、給与区で筋肉が多く、脂肪についても時期により両区の間で差異が見られた.骨はいずれの時期においても差異は認められなかった. 3.採食草量、採食草種割合測定試験:春(6月中旬-7月初頭)、夏(8月初旬-中旬)、秋(9月末-10月中旬)に対象区、試験区からそれぞれ4頭のヒツジを抽出し、食道フィステルの装着手術を行った。食道フィステル装着後、15日間にわたりボルガン郡の試験地で放牧し,n-アルカンをマーカーとする採食草量および採食草種割合の測定試験を行った.現在、アルカン組成の分析実験を継続中であり、近々分析を終える予定である。 4.対象区、試験区各3頭の羊にルーメンフィストラを装着し、春(6月)、夏(8月)、秋(9月)に試験羊が試験地で主に採食した4科6種,5科6種,3科4種の牧野植物の見かけの消化率を、放牧条件下でナイロンバッグ法により測定した.2001年の試験地の春から秋にかけての降雨量が平年に比べ大きく低下したため、牧野草の成育状態が極めて悪かった。見かけの乾物消化率は春と秋で平均70%、夏では65%と前年の測定値に比べ劣っていた。また、いずれの季節においても冬期補助飼料給与の影響は見られなかった。 5.2001年10月13日から20日までモンゴル側共同研究者4名を京都大学農学研究科に招聘し、4日間にわたり日・モ合同の研究総括会議を開催した.
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