1999 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシン分解菌を用いたバイオレメディエーションによるダイオキシン類の分解,浄化
Project/Area Number |
11694214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
橘 燦郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (10112319)
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Keywords | ダイオキシン / ジベンゾフラン / ダイオキシン類 / スクリーニング / ダイオキシン分解菌 / バイオレメディエーション / 浄化 / 細胞融合 |
Research Abstract |
天然からダイオキシン分解能を有する菌の探索を行うとともに、見出したダイオキシン分解菌の分解能を2,7-ジクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(2,7-DCDD)を用いて調べた。また、ダイオキシン分解能の高い菌の細胞融合により、親株よりも高い分解能を有する融合菌の作出を試みた。 1 天然からダイオキシン分解能を有する菌の探索 この研究代表者らが開発した指標色素を用いるスクリーニング法により、温帯地方(日本)の森林等からダイオキシン分解能の高い菌を数種見出した。選抜した菌は1ケ月間の液体培養でダイオキシン(2,7-DCDD)を約80〜95%分解した。 2 ダイオキシン分解菌の細胞融合による分解能の高い融合菌の作出 天然から選抜した2種のダイオキシン分解菌を用いて、電気融合法により細胞融合した。電気融合法は、以前に化学試薬(PEG)を用いて融合した場合よりも数倍融合率が高かった。2種のダイオキシン分解菌の細胞融合により、3種の融合菌を得た。これらの菌はアイソザイム分析により、両親株からの融合菌であると考えられた。これらの融合菌のダイオキシン分解能については現在検討中である。 3 天然からダイオキシン分解能を有する菌の探索 この研究代表者から開発した指標色素を用いるスクリーニング法により、熱帯地方(タイ及び台湾)の森林等からダイオキシン分解能の高い菌を見出した。選抜した菌のうち、一種の菌は1ケ月間の液体培養でダイオキシン(2,7-DCDD)を約90%分解した。また、この菌は温帯地方(日本)でも見出された菌であった。
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[Publications] 清田幸徳: "ダイオキシン分解菌のスクリーニング及び木材腐朽菌によるダイオキシン類のバイオレメディエーション"第49回日本木材学会大会研究発表要旨集. 582-582 (1999)
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[Publications] 政田祐一: "細胞融合によるダイオキシン分解能を有する融合菌の作出の試み"第49回日本木材学会大会研究発表要旨集. 583-583 (1999)
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[Publications] Masada Yuichi: "Degradation of dioxin(2,7-dichlorodibungo-p-dioxin)by tusamts tormed by protoplast fusion of some fungi"10th International Symposium on Wood and Pulping Chemistry. 3. 106-109 (1999)
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[Publications] 大川浩樹: "木材腐朽菌によるバイオレメディエーション(III)ダイオキシン分解菌による2,4,8-トリクロロジベンゾフラン及びジベンゾフランの分解"紙パ技協誌. 53・8. 1054-1062 (1999)