2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 靖美 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90037606)
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Keywords | C.elegans / 温度走性 / ttx-2 / ttx-1 |
Research Abstract |
(1)三谷昌平氏(東京女子医大)に依頼して、W03A5.1+5.2のORF中の3つのエキソンにまたがる732bpの欠失変異株tm269を得た。この株及び野生株ともどし交配した株はいづれも正常な温度走性を示した。また、W03A5.2+5.1の既知の全ての配列を含む12kbのゲノムクローン(pSK+/SacI-Pst1)をPCRにより作成し、ttx-2(ks4)に導入した形質転換ライン4系統を作成した(マーカー=vha-1::gfpまたはlin-44::gfp)が、いづれも温度走性は回復(rescue)していなかった。他方、YAC Y32H12を持つ酵母の全DNAによって、ttx-2(ks4)の温度走性が弱いが回復することを確認した(マーカー=lin-44::gfp)。これらの結果に基づいて考えると、W03A5.2-5.1またはpSK+/SacI-Pst1クローンの外(dpy-17側?)にあり、Y32H12に含まれる領域にttx-2遺伝子があると考えられる。しかし、W03A5コスミドによるttx-2のrescueの結果と矛盾するように思われ、確かには結論できない。(2)unc-51とrol-9の間の領域をカバーするYACクローンの中で、Y113G7による形質転換ラインでは温度走性及びAFDニューロンの形態がほぼ正常に回復し、ttx-1遺伝子はこのYACの中にあると考えられた。このYACの領域に含まれるコスミドクローンによっては回復が見られなかったので、SNPによるttx-1変異のより詳細なマッピングを試みた。しかし、米国Sengupta研究室でttx-1遺伝子がクローン化されたという連絡があったため、ttx-1遺伝子の以降の研究は中止した。(3)ttx-2がクローン化されていないので、その遺伝子産物の解析は行っていない。(4)以前より急な直線状温度勾配上におけるC.elegansの集団の分布及び個体の動きを測定する系を確立した。これにより、一定の温度で飼育してもその後広い範囲に分布すること、その範囲内でどちらの向きにも区別なく移動することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)