2000 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ概日リズム出力系の情報伝達機構の総合的研究
Project/Area Number |
11694216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷村 禎一 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20142010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 顕 九州大学, 大学院・教育研究センター, 助手 (40229539)
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Keywords | ショウジョウバエ / サーカディアンリズム / クリプトクローム / 生物時計 |
Research Abstract |
ショウジョウバエの時計突然変異体の研究によって、サーカディアンリズムを制御する多数の分子が同定され研究が進展している。生物時計は光によって影響を受けることが知られているが、光受容の入力経路の分子機構は未知であった。我々も含めたいくつかの研究室において、クリプトクローム(cry)がサーカディアンリズムの光受容体ではないかという報告がなされた。出力系においては、神経ペプチド(PDF:pigment dispersing factor)が関わっていると考えられている。今年度は、イエバエにおいて、CRY,PDFに対する抗体を用いて、両者が存在するニューロンの同定を行ない、側方ニューロンにおいて両者が共に発現していることを明らかにした。また、ショウジョウバエのPDFのmutantの側方ニューロンの個別の概日振動を時計遺伝子TIMの発現、核移行を指標に蛍光免疫抗体染色法を用いて調べた。その結果、pdf突然変異体では、明暗サイクル下で視細胞、LNsともにTIMの発現量や核移行タイミングには野生型との差は見られなかった。しかし、恒暗条件(DD)に移して数日後からTIMの核移行がみられなくなった。これらの結果は、pdfは少なくとも左右の概日振動体間でのcouplingには重要ではなく、PER/TIM dimerの核移行に対して影響を与えることで、各々の側方ニューロンがDDでの概日振動を維持するために不可欠であることを示すと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ishikawa,T.,Matsumoto,A.,Kato,T.Jr.,Togashi,S.,Ryo,H.,Ikenaga,M.,Todo,T.,Ueda,R.,Tanimura,T. : "DCRY is a Drosophila photoreceptor protein implicated in light entrainment of circadian rhythm."Genes to Cells 4, 57-66 (1999). 4. 57-56 (1999)
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[Publications] Matsumoto,A.,Tomioka,K.,Chiba,Y.,Tanimura,T.: "tim^<rit> lengthens circadian period in a temperature dependent manner through suppression of PERIOD protein cycling and nuclear localization."Molecular and Cell Biology. 19. 4343-4354 (1999)
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[Publications] Miyazu,M.,Tanimura,T.,Sokabe,M.: "Cloning and characterization of a novel form of a cyclic nucleotide-gated channel from Drosophila melanogaster."Journal of Insect Molecular Biology. 9・(3). 283-292 (2000)
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[Publications] Ishimoto,H.,Matsumoto.A.,Tanimura,T.: "Molecular identification of a taste receptor gene for trehalose in Drosophila."Science. 289. 116-119 (2000)