1999 Fiscal Year Annual Research Report
フィラリア症原因寄生虫由来プロテアーゼと阻害剤に関する分子生物学的・生化学的研究
Project/Area Number |
11694225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 健治 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70011533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 秀夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20023468)
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
井上 英史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20184765)
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Keywords | フィラリア / マレー糸状虫 / 線虫 / アスパラギン酸プロテアーゼ / システインプロテアーゼ / 金属プロテアーゼ / cDNAクローニング / 異宿主発現 |
Research Abstract |
ヒト寄生性フィラリアが持つ各種のプロテアーゼの性状と機能を解明し、フィラリア制圧薬の開発につなげようとする研究の一環として、Brugia malayi(マレー糸状虫)について、数種のプロテアーゼのクローニングを進めた。この結果、アスパラギン酸プロテアーゼとして2種の完全長cDNAが得られ、塩基配列解析から比較的ペプシンに近いタイプとカテプシンDに近いタイプが存在することが判明した。カテプシンDに近いタイプの酵素は通常のリソソーム移行シグナルとなる糖鎖結合部位を持たず、カテプシンEに特異的な糖鎖結合部位を持つという興味ある知見が得られた。システインプロテアーゼとしては、3個の完全長cDNAと4個の部分長cDNAが得られ、それぞれ塩基配列を決定した。また、脱ユビキチン化プロテアーゼとして4種の部分長cDNAを得、塩基配列を解析した。この結果、10種以上のシステインプロテアーゼの存在が示されたシステインプロテアーゼについては、さらに代表的な1種について大腸菌による発現を試みたところ、大部分のタンパク質が封入体として発現された。各種の条件下で、封入体タンパクのリフォールディングを検討したところ、pH4.5〜5.5でのリフォールディングで若干の酵素活性の出現が観察された。比較の目的で、線虫(C.elegans)の金属プロテアーゼのクローニングを行い4種の部分長cDNAを得た。このうちの1種について大腸菌による発現を試み、封入体として発現産物を得た。現在、上記各種プロテアーゼの部分長cDNAについては完全長cDNAを得るべく検討を行っており、また、これらの機能解析の予備的実験を進めつつある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Gwang-Ho Jeohn: "Purification and characterization of a detergent-requiring membrane-bound metalloendopeptidase from pocine brain"European Journal of Biochemistry. 260. 318-324 (1999)
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[Publications] Masashi Matsushima: "Purification and further characterization of enteropeptidase from porcine dusdenum"Journal of Biochemistry. 125. 947-951 (1999)
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[Publications] Satoru Watanabe: "Molecular cloning of the Longene from Thermus thermophilus HB8 and characterization of its gone product"European Journal of Biochemistry. 266. 811-819 (1999)
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[Publications] Masaki Kojima: "pH-Dependent unfolding of aspergillopepsin II studied by small-angle X-ray scattering"Biochemistry. 39. 1364-1372 (2000)
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[Publications] Xiang-Ping Huang: "Identification of a glutamicacid and an asparfic acid residue essential for catalytic activity of aspergllopepsin II ,anon-pepsintype acid proteinase"Journal of Biological Chemistry. (in press). (2000)