1999 Fiscal Year Annual Research Report
大道脈弓・骨格・腎臓形成に関わるMFH-1 遺伝子の分子作用機構の解明
Project/Area Number |
11694239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三浦 直行 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40165965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 進昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10250341)
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Keywords | MFH-1 / Pax1 / 硬節 / 脊索 / ノックアウトマウス / 骨形成 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
フォークヘッド遺伝子MFH-1の大動脈弓・骨格・腎臓形成における分子機構を明らかにする3年計画の初年度は、骨格系についてMFH-1遺伝子とPax1遺伝子の関係を明らかにすることに焦点をあてた。まず、胎生期9.5日、10.5日、11.5日におけるMFH-1とPax1の発現を詳細に検討した。MFH-1がPax1より早期に発現し、paraxial mesodermから硬節全体へと発現が認められる。一方、Pax1は硬節の腹側に発現するが、背側には発現が弱い。つまり、MFH-1とPax1は硬節の腹側及び横側で共に発現していることが明らかになった。また、MFH-1が脊索依存性に発現することを発見し、Pax1と同じであることが判明した。そこで、MFH-1/Pax1ダブルノックアウトマウスを作製した。脊椎骨異常の程度は、ダブルホモ体が最も強く、MFH-1、Pax1単独ホモ体では中等度であった。ダブルホモ体では、特に、椎体および椎弓部の軟骨原基がまったく形成されず、皮下の結合組織が拡張しているだけであった。組織学的に検討した結果、ダブルホモ体では背側および脊索周囲部で硬節細胞数が著明に減少していることが明らかになった。この原因として、硬節細胞のアポトーシスの亢進あるいは硬節細胞の増殖障害が考えられたので、順次検討した。まず、硬節細胞のアポトーシスはダブルホモ体も正常マウスも差異を認めなかった。一方、硬節細胞の増殖能をBrdUの取り込みで検討したところ、ダブルホモ体では、単独ホモ体よりさらに細胞増殖能が障害されていることが明らかになった。以上のことから、MFH-1とPax1は硬節細胞内で協調的に働き、脊椎骨の形成に関わっていることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Terada,K.: "Biliary excretion of copper in LEC rat after introduction of copper trasporitng P-type ATPase,ATP7B"FEBS Letter. 448. 53-56 (1999)
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[Publications] Furumoto,T.: "Notochordo dependent expression of MFH-1 and Pax1 cooperates to maintain the proliferation of sclerotome during the vertebral column development"Dev.Biol.. 210. 15-29 (1999)
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[Publications] Masuda,Y.: "The fragment of complement 3a lacking the primary 9 amino acids induces promoting activity on mouse voluntary running"Tohoku J.Exp.Med.. 189. 21-27 (1999)
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[Publications] Komatsu,M.: "Cisplation resistance conferred by copper transporing P-type ATPase cDNA(ATP7B)"Cancer Res.. (印刷中).
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[Publications] Yang,X-L: "MFH-1 is required for Bone-Morphogenetic Protein-2-induced osteoblastic differentiation of C2C12 myoblasts"FEBS Letter. (印刷中).
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[Publications] Sugiyama,T.: "Tissue Engineering for Therapeutic Use 3"Elsevier Science B.V.. (1999)
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[Publications] 三浦直行: "Vascular Biology ナビゲーター"メディカルレビュー社. (印刷中)