1999 Fiscal Year Annual Research Report
堅固な三次元構造と作用分離特性を持つ芳香族ビタミンDのde novo設計と合成
Project/Area Number |
11694253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山田 幸子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (10014078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恵子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (90147017)
清水 正人 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (50126231)
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Keywords | ビタミンD / 核内受容体 / ホモロジーモデリング / アナログ / ノンステロイドビタミンD / 作用分離 / 遺伝子転写 / 三次元構造 |
Research Abstract |
1)ビタミンD受容体(VDR)のリガンド結合領域の三次元構造を、同一の核内受容体サブファミリーに属し、最もホモロジーの高いヒトレチノイン酸受容体(hRARγ)の結晶構造に基づいてコンピューター的にホモロジーモデリング法で構築した。天然リガンド(1、25ー(OH)2D3)をリガンド結合ポケット(LBP)にドックし、LBP内でリガンドと相互作用を持つアミノ酸残基を同定した.その正当性は、点変異実験によって証明した.すなわち、リガンドと相互作用を持つと予測されるアミノ酸残基体の点変異体を全て作成し、それらの生物活性(1,25ー(OH)2D3との結合性および遺伝子転写活性化能)を検討することで評価した。LBPを形成するアミノ酸残基とリガンドと相互作用を持つアミノ酸残基は、ほぼ同時に報告された変異VDR(結晶化のために人工的に構造修飾された変異体)の結晶構造と良く一致した。この結果から、我々のモデルの正当性が評価されると共に25%程度の同一性をもつ核内受容体の三次元構造がかなりの信頼性をもってホモロジーモデルできることを証明した。また、LBPの三次元構造に基づく構造基盤設計が可能となった. 2)上記VDR三次元構造に基づいて、ビタミンDのAおよびC環部にベンゼン環を導入したノンステロイドビタミンDを構造基盤設計した.それらは、パラヂウム触媒を用いるsuzukiカップリングを鍵反応にして合成した.現在約10種の合成に成功している。これらの生物活性、VDR結合活性とVDR支配遺伝子の転写活性化、は現在検討中である.
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[Publications] 清水正人: "4,4-Difluoro-1α, 25-dihydroxyvitamin D_3: Analog to Probe A-Ring Conformation in Vitamin D-Receptor Complex"Tetrahedron Lett.. 40. 1697-1700 (1999)
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[Publications] 山本恵子: "Three-dimensional structure-function relationship of vitamin D: Side chain location and various activities"Bioorg. Med. Chem. Lett.. 9. 1041-1046 (1999)
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[Publications] 山田幸子: "ビタミンDの三次元構造活性相関"ビタミン. 73. 511-525 (1999)
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[Publications] 山本恵子: "有機銅試薬の共役付加反応における面選択制と反応機構:一般則の提案"有機合生化学協会誌. 57. 53-64 (1999)
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[Publications] 山田幸子: "新しいビタミンD誘導体と構造活性相関"BIO Clinica. 14. 31-37 (1999)
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[Publications] 山本恵子: "Three-Dimensional Modeling of and Ligand Docking to Vitamin D Receptor Ligand-Binding Domain"Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 97. 1467-1472 (2000)
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[Publications] 山田幸子(加藤茂明他、編): "実験医学増刊:細胞膜、核内れ背賦他ーと脂溶性シグナル分子"羊土社. 217 (2000)