1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥居 修平 名古屋大学, 医学部, 教授 (60115607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 譲 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10257678)
北川 泰雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50101168)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 基底膜 / IV型コラーゲン / 再生医学 / 細胞外マトリックス / 脂肪組織 / 電子顕微鏡 / ラミニン |
Research Abstract |
軟部組織欠損の充填には脂肪織の自家移植が採用されてきたが、移植脂肪が吸収されやすくて容積減となる問題がある。採取できる脂肪織量に限界があり大量の組織欠損には応用できない問題もある。脂肪細胞の前駆体となる間葉系幹細胞は結合組織に広く分布しており、旺盛な増殖性と遊走性によって新しい脂肪組織を構築する能力を持つ。我々は、この内在性細胞の遊走、増殖と分化を誘導できることを示す成績を得た。すなわち、可溶化の基底膜(細胞外マトリックス)とbFGFの混合液を皮下注入するとゲル構造が形成され、ここに間葉系幹細胞が侵入して脂肪に分化することを動物実験で発見した。本研究は、これを発展させた軟組織欠損創の再建術を国際共同研究で開発することを目的にした。上記の脂肪新生過程を電子顕微鏡レベルで詳細に追跡し、1)注入基底膜成分が作るゲル周辺に集簇する内在性前駆細胞は、初期には線維芽細胞の形態を持つが、2)基底膜ゲルによって活性化され、核が肥大化して細胞網内系やミトコンドリアが豊富となる、3)基底膜成分を貧食して細胞内封入体で破壊する、4)引き続き基底膜ゲル内に侵入しながら増殖する、5)細胞内脂肪滴を形成して肥大化させる、6)最終的に基底膜ゲル成分を完全破壊して新生脂肪細胞で置換する、などの所見を得た。本研究の目的達成には、IV型コラーゲン、ラミニン、パーレカンなどの混合体である基底膜のどの成分が有効かを解明し、代替となる生体適合性材料を開発する必要がある。これをFesslerと共同研究してPLGAなどの生分解性の合成高分子が有効であることを示唆する成績を得た。また、bFGFの代替となる生理活性ペプチドを探索すべく、Kleinmanが血管新生効果を発見したラミニン各鎖の配分配列ペプチドを検索して数種類の有望な候補を発見した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kitagawa Yasuo: "De novo adipogenesis for reconstructive surgery"Cytotechnology. 31. 29-35 (1999)
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[Publications] Azimi Mojgan: "Differential expression of mRNAs encoding laminin chain variants during in vitro development of mouseblastocysts"Cytotechnolgy. 31. 183-191 (1999)
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[Publications] Kawaguchi Nobuko: "Reconstituted basememtmembrnae potentiates in vivo adipogenesis of 3T3-F442A cells"Cytotechnology. 31. 215-220 (1999)
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[Publications] 北川泰雄: "細胞外マトリックス:基礎と臨床"(株)愛知出版. 554 (2000)