2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11694274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 淳 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90028598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263282)
澤井 元 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20202103)
渡部 眞三 愛知県コロニー発達障害研究所, 主任研究員 (10093486)
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)
佐々木 仁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40104236)
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Keywords | 視神経 / 再生 / 網膜 / 神経節細胞 / 軸索 / 受容野 / 機能評価 / 行動 |
Research Abstract |
1.渡部、三好、福田らは、昨年までのネコに関する研究成果である、視神経切断後の網膜神経節細胞の受容野特性の変化と、それに対する硝子体内へのBDNF, CNTF, Forscolin注入の効果の研究成果を5月初旬、アメリカのフォートローダデールで行われた視覚眼科学連合学会(ARVO)で発表し、その研究内容を二編の英論文として投稿した。 2.三好らは、視神経切断後にピクノーシスに陥る細胞の頻度と分布を網膜平板標本で詳しく調べ、特に網膜中心部に密に存在するべータ細胞がアポトーシスに陥ることを示唆するデータを得、さらに抗アポトーシス因子(カスパーゼ3阻害剤)の眼球内投与によって、実際にべータ細胞の死が特異的に阻止されることを明らかにした。この研究成果は現在、論文として取りまとめ中である。 3.三好らは、視神経切断端に電気刺激を加えることにより、神経節細胞の生存を促進できることをラットで証明し論文として発表した(Neuroreport, Morimoto et al. 2002)。さらにネコでも同様の視神経切断端への電気刺激によって、網膜中心部の神経節細胞の生存が著明に促進されることを見いだした。現在、澤井を中心に、電気刺激による網膜神経節細胞の生存促進効果のメカニズム、特にその時間経過および細胞内情報伝達系の変化に関して分子生物学的解析を開始した。 4.井上、佐々木らはbcl-2過剰発現マウスにおける網膜神経節細胞の生存と視神経再生に関する研究成果を、論文としてまとめて投稿し、一部追加実験を行い改訂の後、J.Neurosci.に受理された。 5.福田はこれまでの成果と、最近の視神経切断後の網膜神経節細胞の生理機能の変化と神経栄養因子などの硝子体内注入によるその改善の成果について、平成13年8月下旬にオーストラリアのシドニーで行われた国際生理科学連合学会のサテライトシンポジウムで発表した。
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Research Products
(13 results)
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[Publications] Watanabe, M.et al.: "survival of retinal ganglion cells after transection of the optic nerve in adult cats: a quantitative study within two weeks"Visual Neurosci.. 18. 137-145 (2001)
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[Publications] Kanda, H.et al.: "Effect of pulse parameters on visual nerve system"JSAEM. 405-406 (2001)
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[Publications] Morimoto, T.et al.: "Electrical stimulation enhances the survival of axotomized retinal ganglion cells in vivo"Neuroreport. 13. 227-230 (2002)
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[Publications] Sauve, Y.et al.: "Topographic specificity in reinnervation of the superior colliculus by regenerated retinal ganglion cell axons in adult hamsters"J.Neurosci.. 21. 951-960 (2002)
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[Publications] Yakura T.et al.: "Effect of bcl-2 overexpression on establishment of ipsilateral retinocollicular projection"Neuroscience. (in press).
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[Publications] 矢倉 徹 他: "哺乳類の視交叉 同側性視神経投射形成のメカニズムを中心に"脳21. 5(1). 14-18 (2002)
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[Publications] 井上 徹 他: "アポトーシス制御による成体網膜神経節細胞の生存・軸策再生"Molecu1ar Medicine. 39. 129-136 (2002)
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[Publications] 三好 智満 他: "網膜神経節細胞の変性。再生と細胞の電気活動"Molecu1ar Medicine. 39. 113-119 (2002)
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[Publications] 渡部眞三 他: "ネコ網膜神経節細胞の生存と軸索再生の促進"Molecu1ar Medicine. 39. 120-128 (2002)
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[Publications] 佐々木 仁: "再生視神経投射の行動学的視覚機能解析"Molecu1ar Medicine. 39. 199-208 (2002)
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[Publications] 澤井 元: "再生視神経の上丘支配様式-レチノトピーの再建について"Molecu1ar Medicine. 39. 192-198 (2002)
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[Publications] 澤井 元 他: "軸索切断による逆行性変性過程にグルタミン酸毒性は関与しているか"Molecu1ar Medicine. 39. 80-86 (2002)
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[Publications] 福田 淳: "脳と視覚-何をどう見るか"共立出版. 339 (2002)