2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型モノクローナル抗毒素抗体実用化のための試験的大量生産システムの確立
Project/Area Number |
11694279
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 央 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20142317)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 恵二 岡山大学, 医歯学総合研究科, 教授 (00002262)
高橋 元秀 国立感染症研究所, 細菌・血液製剤部, 室長 (00216764)
小崎 俊司 大阪府立大学, 農学研究科, 教授 (10109895)
|
Keywords | 破傷風 / ヒト型モノクローナル抗体 / 連続培養 / ハイブリドーマ |
Research Abstract |
平成13年度は本研究計画の最終年度になるので、総括のために日本から3名の研究者を派遣する予定であったが、米国同時テロ事件の影響で研究者間の日程調整ができず、派遣を見送った。そのため総括作業はメール等を利用して行うこととし、蘭州生物製品研究所でのハイブリドーマの連続培養と国家検定用の標品製造を中心に研究を進めた。 ホロファイバー培地循環式連続培養装置を用いてヒト型抗破傷風モノクローナル抗体G2およびG6を産生するハイブリドーマ株を5%牛胎児血清存在下にそれぞれ培養し、抗体価が約0.003IU/mlおよび約0.007IU/mlの培養上清を得た。その培養上清について、Protein Aとanti-humanγchain mouse抗体および破傷風トキソイドの3種類のカラムによるアフィニティークロマトグラフィー精製を試みた。その結果、それぞれ単独のカラムによる精製では、protein Aおよび抗ヒトγ鎖抗体カラムでは約50ng/mlの、破傷風トキソイドカラムでは約30ng/mlの残存牛アルブミンが抗体標品に混在することが明らかになった。そこで、破傷風トキソイドカラムとMono Qカラムの組み合わせによる精製を行なった結果、中国の生物製品基準である90%以上の純度を持つ抗体標品を得ることができた。これらの標品の中和活性は、G2およびG6単独ではIgG 100μg当り6.2 IUと20.4 IUであり、G2とG6等量混合物では42.0 IUであった。したがって、中国の抗破傷風抗毒素基準に照らし、G2とG6等量混合物を製品として国家検定用の標品とすることに決定した。現在この抗破傷風抗毒素について中国薬品生物製品検定所での検定作業が進められている。
|
-
[Publications] 小熊恵二, 杉本 央: "神経情報伝達を障害する破傷風毒素とボツリヌス毒素"蛋白質 核酸 酵素. 46・4. 484-490 (2001)
-
[Publications] N.Sugimoto, M.Matsuda: "Motor Neuron. In Site Selective Neurotoxicity. D.S.Lester, W.Slikker Jr., P.Lazarovici(eds)"Taylor & Francis, London and New York. 12(308) (2002)