1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性神経変性疾患のマイクログリア細胞を担体とした分子生物学的治療法に関する研究
Project/Area Number |
11694306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田中 あけみ 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (30145776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 和吉 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20244642)
大谷 周造 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80047068)
佐藤 真 福井医科大学, 医学部, 教授 (10222019)
前田 光代 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40122080)
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Keywords | マイログリア細胞株 / アデノウイルスベクター / リソソーム病 / β-グルクロニダーゼ欠損症 / 遺伝子発現 / GFP |
Research Abstract |
脳神経系疾患を治療するためには、有効な薬物や生理活性物質を脳へ選択的に導入する事が必要である。マイクログリア細胞株を脳への選択的物質導入のための坦体として用いる方法の確立を目的として研究を始めた。β-グルクロニダーゼ欠損症(ムコ多糖症VII型)モデルマウスを用い実験を行った。この疾患は、リソソーム病のひとつであり脳を含めた全身諸臓器にムコ多糖が蓄積する。骨髄移植の効果が認められていることから、外来遺伝子の導入も効果が期待される疾患である。リソソーム病に対する遺伝子治療は種々試みられているが、中枢神経系への遺伝子導入は効率が悪く、脳内穿刺など投与方法も侵襲が大きい。培養マイクログリア細胞にβ-グルクロニダーゼ遺伝子を高発現させ、これを血管系より投与し脳で発現させることを行った。B6由来培養マイクログリア細胞にアデノウイルスベクターにてGPP、β-グルクロニダーゼ遺伝子を各々導入した。マイクログリア細胞におけるGPP、β-グルクロニダーゼの発現は、免疫染色により確認した。β-グルクロニダーゼについては、細胞および培養上清のWestern blotも行った。この細胞の5x10^6個を10〜16週齢に心腔内穿刺にて投与し、脳について組織学的検索を行った。組織切片を抗GFP抗体/Cy3にて免疫染色し、マイクログリア細胞の脳組織内分布を見た。マイクログリア細胞への遺伝子導入効率は70〜80%であった。β-グルクロニダーゼは、細胞内発現のみならず培養液中にも多量の分泌を認めた。マウスに投与されたマイクログリア細胞は、投与後1日目および3日目に、大脳および小脳に多数分布していることがGFPの免疫染色により確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A. Tanaka, M. Fujimaru et al.: "Novel mutations including the second most common in Japan in the β-hexosaminidase a subunit gene, and a simple screening of Japanese patients with Tay-Sachs diseae"Journal of Human Genetics. 44・1. 91-95 (1999)
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[Publications] T. Yamamoto, E. Nanba et al.: "NPC1 gene mutations in Japanese patients with Niemann-Pick disease type C"Hum. Genet.. 104・1. 10-16 (1999)
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[Publications] Y. Sakai, K. Kiyotani et al.: "Accomodation of foriegn genes into the Sendai virus genome: sizes of inserted genes and viral replication"FEBS Lett.. 456. 221-226 (1999)
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[Publications] N. Suzumori, M. Sato et al.: "Expression of secretory leukocyte protease inhibitor in ovarian endometriomas and eutopic endmetrium of woman with endometriosis"Fertil. Steril.. 72・5. 857-867 (1999)
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[Publications] H. Ijichi, T. Tanaka et al.: "Molecular cloning and characterization of humanhomologue of TBPIP, a BRCA1 locus-related gene"Gene. (in press).
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[Publications] S. Saito, N. Oiso et al.: "Angelman syndrome plus oculocutaneus albinism type 2 associated with a P gene missence mutation"J. Med. Genet.. (in press).