2001 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患に関する新規遺伝子AIREの免疫応答機構における役割
Project/Area Number |
11694314
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80245464)
蓑島 伸生 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (90181966)
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80178003)
永淵 正法 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00150441)
坂口 志文 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30280770)
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Keywords | APECED / APS-1 / AIRE / 自己免疫疾患 / SV40T抗原 / 胸腺 / 樹状細胞 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
1.AIRE発現細胞株の樹立:マウスAire遺伝子の転写開始点から上流6.3kbのDNA断片にSV40のラージT抗原(以下LT抗原)の遺伝子を融合したトランスジーンを構築し、これをマウス受精卵に注入し、トランスジェニックマウスを作成した。このマウスにおいては、Aire遺伝子発現細胞においてのみAire遺伝子プロモーター支配下で特異的にLT抗原が発現し、その細胞が腫瘍化することが期待された。得られたマウスは、正常同胞に比べてやや体重が少ない他に外見上の特徴は認められなかったものの、生後40日目に肥大化した胸腺による呼吸困難を来したため、胸腺、その他の臓器を摘出した。胸腺の免疫組織染色の結果は、予想外なことにLT抗原の発現はごく一部の細胞にしか認められなかった。肥大化した胸腺の細胞を培養したところ、大部分はT細胞由来と思われる浮遊細胞であったが、LT抗原は発現しておらず、細胞数も培養を続ける内に減少した。一方、付着細胞は8ヶ月の継代培養を経てもなお増殖を続けている。免疫細胞染色の結果、付着細胞においてLT抗原の発現が確認された。従ってこの付着細胞がAIRE発現細胞由来のものと考えられる。また、この結果、6.3kbのDNA断片中にAIRE遺伝子の組織・細胞特異的な発現調節のために必要なすべての配列が含まれることが示された。 2.マウスAire遺伝子の発現部位の解析:上述のマウスAire遺伝子のプロモーター領域を含む6.3kbのDNA断片にβガラクトシダーゼ遺伝子を融合したトランスジーンを構築し、マウス受精卵に注入してトランスジェニックマウスを作成した。現在、繁殖中であり、今後Aire遺伝子発現の詳細な解析に用いる。 3.ヒト末梢血におけるAIRE遺伝子の発現:CD14陽性単球、樹状細胞におけるAIREの発現をRT-PCRと免疫細胞染色で確認した。
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[Publications] Heino, M. et al.: "APECED mutations in the autoimmune regulator(AIRE) gene"Human Mutation. 18・3. 205-211 (2001)
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[Publications] Kogawa, K. et al.: "Expression of AIRE gene in peripheral monocyte/dendritic cell lineage"Immunol.Lett.. 80・3. 195-198 (2002)
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[Publications] 尾形悦郎監修: "PTH/PTHrPの基礎と臨床-発生、進化から骨粗しょう症治療まで-"医薬ジャーナル. 139 (2002)