1999 Fiscal Year Annual Research Report
天然に広く分布するトリテルペノイドをリード化合物とした抗HIV薬の共同開発研究
Project/Area Number |
11694321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
柏田 良樹 新潟薬科大学, 薬学部, 助教授 (30169429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 稔大 福岡大学, 薬学部, 助手 (80165357)
長尾 常敦 福岡大学, 薬学部, 助手 (90180455)
岡部 光 福岡大学, 薬学部, 教授 (10078678)
LEE Kuo?Hsiung ノースカロライナ大学, 薬学部, 教授
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Keywords | 抗AIDS作用 / トリテルペノイド / ベツリン酸 / ベツリン |
Research Abstract |
私共は,betulinic acidをリード化合物とした化学的修飾とその抗HIV活性に関する検討を行い,強力な抗HIV活性を示すbetulinic acid誘導体について報告している。 特にDSBと称する化合物は,EC_<50><0.00035μM,T.I.>20,000と極めて強い抗HIV活性を示し,臨床応用試験の候補化合物として現在検討が進められている。今年度は,DSB及び関連化合物の構造活性相関に関する研究の一環として,DSBの3位のエステル結合をアミド結合に変換した化合物類の合成とそれらの抗HIV作用の検討を行った。 化合物の合成は,シラカバ樹皮に多量に含有されるbetulinを出発原料として,誘導化を行った。3α-diglycoryl-3-deoxybetulinic acidが最も良好な抗HIV活性(EC_<50>0.24μM)とH9 cellに対する低毒性を示し(IC_<50>>100μM),T.I.は715であった。これに対し,β異性体の抗HIV活性は低く,3位の配位により抗HIV活性は大きく変化した。また,DSBに対応する2種のアミド化合物はいずれも抗HIV活性を全く示さなかった。いずれのアミド化合物も対応するエステル結合を有する化合物よりも低い抗HIV活性を示したことから,DSB及びその類似化合物の3位はエステル結合が良いことが判明した。
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