1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11695007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 和貴夫 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (70029734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヨコタ村上 孝之 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (00200270)
ディボフスキー アレクサンドル 大阪大学, 言語文化部, 助教授 (70252723)
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Keywords | 異文化理解 / 教育 / ロシア / 小人数教育 / 第2言語修得 / 多民族国家 |
Research Abstract |
本年度は、ロシア側の研究分担者が所属し、1999年で100周年をむかえたウラジオストークの極東国立大学東洋学院を訪問して、同学院における日本の言語文化に関する教育研究の実践を視察した。またそれを受けて「異文化理解」教育の在り方を、ロシア側の研究分担者と共同で討論した。同学院においては、ロシア全体が財政的困難に陥っているなかで、小人数教育(10人前後)、教官の研究水準の維持、教育のための個別の教科書の作成、日本の教育機関などと密接な連携など、「異文化理解」のために最低限必要とされる基本的な教育が行われていることが確認された。 その後、ロシア側の共同研究者であるシヌイルコ教授を日本に招待して研究会を開催し、ロシアにおける第2言語修得に関するこれまでの研究成果に関する報告をを受け討論した。両者の比較では、ロシア極東地域が地理的に日本に近く、しかも現在のロシアが市場経済への移行を進めている社会体制にあるということから、第2言語の修得における動機づけなどの点で日本との相違が見られるのは当然であるが、それとは別にこれまでの教育において多民族国家であることを意識した教育体制であったか否かに問題点のひとつがあるということで意見が一致した。 ただし、教育の成果をいかなる形で検証するかといった点は難しい問題であり、さらに今後の研究が必要であることも明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] ディボフスキー,アレクサンドル: "「男はつらいよ」の主人公と日本人の民族文化的性格について(ロシア語)"言語文化研究(大阪大学). 26. 55-85 (2000)
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[Publications] シヌイルコ A: "日本学部・講座の研受と人々(ロシア語)"極東大学東洋学院報. 5. 146-150 (1999)
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[Publications] 藤本和貴夫,松原広志偏: "ロシア近現代史"ミネルヴァ書房. 332 (1999)
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[Publications] コジュブニコフ..V.: "日本史概説12-16世紀(ロシア語)"極東大学出版会. 385 (1999)