1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11695012
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅田 茂昭 早稲田大学, 語学教育研究所, 教授 (10063570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 明 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60063418)
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Keywords | ロマンス言語学 / 少数ロマンス語 / サルジニア語 / サルジニア方言 / イタリア方言 / 中・南イタリア方言 / 少数言語 / 言語学 |
Research Abstract |
平成5〜7年度国際学術研究(大学間協力計画)いらいの研究課題である"少数ロマンス語の現地調査"を継続発展させながら、伝統的に主要言語に片寄りがちなロマンス言語学をより充実させることを目標として、本年度は2期に分けて以下の調査研究を実施した。 第1期(10月30日〜11月12日)は、サルジニア語のカンピダーノ方言に関し、カリアリとイグレシアスにおいて基礎語彙のなかの外来要素の調査などを行なった。ことにカリアリに滞在中11月4日同市ロータリークラブから過去20年間に及ぶ日本人初めてのサルジニア語の研究に対し"ラ・マルモラ賞"を授与され(於カリアリ大学講堂)、これまでの研究を要約し"ロマンス語としてのサルジニア語"と題し記念講演した。 第2期(3月5日〜3月19日)においてはローマ大学デ・マウロ教授と言語学の教育およびロマンス言語学の方法論についての検討と共同研究の打合せを行なった後、中・南イタリアのカンポバッソ(モリーゼ州)方言とカッシーノ方言を部分的に調査し、母音体系や数詞に関し興味ある論点を発見することができた。カッシーノでは修道院にて幸いにもイタリア語最古の羊皮紙文献を直接観察する機会を与えられた。さらに西カタルニアの方言の形態論的特異性についても最新の研究報告に従い確認した。 以上の現地調査は従来のものと合わせて、第34回イタリア言語学会国際大会(於フィレンツェ、クルスカ学会、2000年10月19日〜21日)において"ロマンス語のなかにおけるイタリア方言の位置づけ――若干の音声・形態・統辞論的側面から"と題し発表する予定であり、今回の調査をそのための準備として役立てることができた。さらに第23回国際ロマンス言語学・文献学会(於サラマンカ大学、2001年9月24日〜30日)において従来からの課題である"合成:そのロマンス語における増幅傾向"について研究発表を行なう予定であることも付加して報告したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 菅田茂昭(分担執筆): "第6章:言語生活・地域言語・少数言語"馬場・奥島(編):イタリアの社会(早稲田大学出版部). 101-113 (1999)
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[Publications] Shigeaki Sugeta: "* sardo come lingua romanza(ロマンス語としてのサルジニア語)"Premio "La Marmora"XVIII Edizione,Cagliari. 1999-2000(年度). 31-40 (1999)