2000 Fiscal Year Annual Research Report
ポーランド・日本両国における消費動態における心理的要因の比較研究
Project/Area Number |
11695015
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉野 悦雄 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80142678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澄 英男 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10261273)
内田 和男 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60091419)
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Keywords | ポーランド / 消費 / 家計 / パネルサーベイ / 消費心理 / 日本 |
Research Abstract |
平成12年度においては、ポーランドでの消費動態を確認するため、日本側研究者3名は2回にわけてポーランドを訪問した。流通機構の調査、とりわけ大都市のカリフールなどの大規模スーパーと小都市の小売店舗の違いを調査した。現地の専門家との意見交換も行った。ポーランドの消費動態の分析はポーランド側研究分担者が実施することになったので、集中的な合同研究会を開催し、日本側は適切な助言を行った。 ポーランドでは、社会構造の転換に伴い、消費者の心理が大きく変化していることが確認された。基礎的食料品や基礎的衣料品に関しては、その消費意思決定は極めて保守的で、所得の上昇による変化はみられなかった。一方、新たな消費対象、とりわけパソコンや乗用車への支出、ならびに家屋の新築や増改築などの資産形成には、所得の上昇と社会的風潮が大きく影響することが判明した。かなりの家庭が無謀とも思えるローンを組んでいた。合理的な生活設計や資産配分を行っているとは到底述べることができない。このような結果は、伝統的な家計調査では確認することができず、平成11年度に日本で実施した長時間にわたる家庭内での面接調査によってはじめて確認することができる。ポーラン側研究者も同様の手法を用いてポーランド国内で調査を実施した。 長時間をかけて個々の家庭で面接調査を実施する手法は、非常に有効であり、とりわけインタビューアーが外国人の場合、通常は話さないような微妙な問題まで非常にフランクに回答してくれることが分った。本研究が採用したマイクロサーベイは、日本では前例のない手法であったが、きわめて強力な調査手法である。平成12年度では、研究成果の最終的とりまとめのため、ポーランド側研究者1名が来日して、共同の研究会を開催した。
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