2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11695023
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
田中 則仁 神奈川大学, 経営学部, 教授 (40221395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ティオフィラス アサモア 神奈川大学, 経営学部, 助教授
常石 敬一 神奈川大学, 経営学部, 教授 (00039786)
衣笠 洋輔 神奈川大学, 経営学部, 教授
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Keywords | サイエンスパーク / 産業政策 / 研究開発組合 / 中小企業 / 地場産業 / 産官学 / 先端技術 / 経営戦略 |
Research Abstract |
標記研究の最終年度では、研究の取り纏めを行ない、従来刊行されていない成果を得ることができた。研究の背景等は下記の通りである。詳細は実施報告書にて論述する。 現在の日本では不況が長期化しその影響が深刻化する中で、何らかの打開策を考えるとき、産官学の連携が新たな技術優位と新規市場への展開をもたらすという想定でサイエンスパークが設立されてきた。1980年代以降に設立されたサイエンスパークは100ヶ所を超える。それぞれに地域の産業界や学会との連携を意図されて設立されたものではあるが、その成果には違いが見られる。産業構造の変化や企業の経営戦略の高度化に対して、行政や学会がどのように関わり、その成果を高めていけるかといういわゆる「産官学」の連携がこの10年来課題となっている。産官学の連携では、我が国の産業政策が過去に果たしてきた研究開発組合方式や重点産業の育成方針がある。しかし重要な知的資産を研究し蓄積してきた大学との連携は、必ずしもうまくいかなかったのが実状である。 昨年度の研究では、サイエンスパークの実態把握と、日米での成果の比較をどのように進めていくかという研究の枠組作りと基礎調査を行った。特に共同研究相手のアメリカのカンザス大学では、10数年前から大学と地域産業界、さらには州政府との連携を図った組織が設立され、州立大学としての情報発信の役割をいかんなく発揮する事業が進められてきた。カンザス大学が本学との学術交流提携校とのこともあり、円滑な研究協力体制で研究の枠組づくりを構築し、文献調査等の基礎調査を行った。2001年度は研究者が経営学部教員ということもあり、ビジネスモデルの特許やベンチャービジネスの育成に、サイエンスパークや大学がどのように関われるかを焦点にした。地場産業が大きな構造変化にさらされていく中で、新規事業の芽を育て発展させていくことが大きな課題になっている。この点は起業や創業という言葉でも用いられるが、官民のベンチャーキャピタルも含めて情報収集を行った。成果の中には萌芽的な事業もあり、公表の難しいものもあるが、その仕組みや流れなど、他の地域に活用可能な共通項をまとめていく調査研究を行った。
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