1999 Fiscal Year Annual Research Report
低次元系の新しい磁性を用いた超高密度磁気記録材料への応用研究
| Project/Area Number |
11695037
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Research Institution | Tohoku University |
|---|
Principal Investigator |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 強 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60292265)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00271966)
|
|---|
| Keywords | 超高密度記録メディア / 第一原理計算 / 相互作用パラメーター / モンテカルロ法 / 分子動力学法 / 低次元系 / タイトバインディング法 / 遷移金属クラスター |
|---|
| Research Abstract |
近年、原子操作による高度な実験技術の発展に伴って実際に創製可能となりつつある各種物質の形成する表面、界面、クラスター等の低次元系は、従来のバルクとは全く異なる極めて興味深い新規な構造と物性を持つ。本研究では、我々が独自に開発している世界最高精度を誇る全電子混合基底第一原理計算を、これらの新物質に適用し、その物性の詳細を大規模シミュレーション計算によって解明し、その結果を基礎として、従来とは全く異なるレベルの超高密度記録媒体実現の可能性を探る。
混合基底第一原理計算は芯電子までを精密に扱えるため、従来の擬ポテンシャル法では解析が困難であったフラーレンやナノチューブに代表される炭素系の新規で複雑な構造と物性を解析するために開発された。本研究では、それを鉄原子を中心とする遷移金属元素系の構造と物性の解明を可能とするように局所スピン密度近似へと拡張し、具体的な例題に適用している。その全エネルギー計算結果を用いて、タイトバインディング模型のパラメーターを決定し、本研究で必要となる第一原理計算では処理不可能な1000原子程度の系への適用を試みた。
これらの計算は、本所の材料設計専用スーパーコンピューターを用いて行っているが、その実行効率を上げるために、プログラムのベクトル化率向上を試みた。その結果、目標としていた1000原子系の取り扱いが可能となった。また、それ以上の規模の系のシミュレーションを可能とするために、継続的にプログラムの並列化を試みている。
超高密度記録媒体の研究に関しては、我々の研究グループは、これまで磁性金属マイクロクラスターを単位とした3次元構造体を考えて、その上での外場調製による多値記録過程を主として研究してきたが、本研究では、それに加えて、国際共同研究により、系全体の形成する記録パターンを単位とする新たな多値情報記録システムを検討し、その実行効率までを数値的にシミュレーション計算により明らかにした。
|
-
[Publications] Y.Guo,B.L.Gu,Z.Zeng,Y.Kawazoe: "Size effect on quasibound states and negative differential resistances in step-barrier structures"Physics Letter A. 261.. 114-118 (1999)
-
[Publications] K.Shiga,K.Ohno,Y.Maruyama,Y.Kawazoe and T.Ohtsuki: "Abinitio molecular dynamics in an all-electron mixed-basis approach: application to atomic insertions to C_<60>"Modelling Simul. Mater. Sci. Eng.. 7・. 621-630 (1999)
-
[Publications] M.Sakurai,K.Sumiyama,Q.Sun and Y.Kawazoe: "Preferential Formation of Fe_<13>O_8 Clusters in a Reactive Laser Vaporization Cluster Source"Journal of Physical Society of Japan. 68・11. 3497-3499 (1999)
-
[Publications] J.Wu,B.L Gu,J.Liu,Y.Guo,J.L.Zhu,J.Z.Yu,Y.Kawazoe: "Transmission through a mesoscopic ring with a quantum dot"Physics Letters A. 262・. 245-250 (1999)
-
[Publications] T.Hitosugi,S.Heike,T.Onoji,T.Hashizume,S.Watanabe,Z.Q.Li,K.Ohno,Y.Kawazoe,T.Hasegawa,and K.Kitazawa: "John-Teller Distortion in Dangling-Bend Linear Chains Fabricated on a Hydrogen-Terminated Si(100)-2 × 1 Surface"Physical Review Letters. 82・20. 4034-4037 (1999)
-
[Publications] Y.Guo,H.Wang,B.L.Gu,Y.Kawazoe: "Electric-field effects on electronic tunneling transportin magnetic barrier structures"Physical Review B. 61・3. 1728-1731 (2000)
-
[Publications] K.Ohno,K.Esfarjani,Y.Kawazoe: "Computational Materials Science"Springer-Verlag. 326 (1999)
