2001 Fiscal Year Annual Research Report
プログラム自己破砕細菌による生分解性プラスチックの高度生産・分離プロセスの開発
Project/Area Number |
11695041
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
海野 肇 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10087471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 克敏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (50302956)
ケイ 新会 横浜国立大学, 大学院・物質工学科, 教授 (10242306)
丹治 保典 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (00282848)
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Keywords | 自己破碎菌 / 生分解性プラスチック / ファージ溶菌酵素 / ポリヒドロキシルアルカン酸 / コスト評価 |
Research Abstract |
ポリヒドロキシルアルカン酸(PHA)を生産する2種類の自己破砕菌を構築し、その発現特性ならびにポリマー生産特性を解析した。ポリヒドロキシルアルカン酸(PHA)生産能力を持つB.megateriumの染色体上に、Xylプロモーター(キシロース存在下で活性化する)を有するpX vector(グルコースの存在によりXylプロモーターの働きが抑制される)を利用してBacillus amyloliquefaciensに感染するファージの溶菌酵素遺伝子を組み込むことにより、PHA生産能と自己破砕能を兼ね備えた組換え体を得た。この組換え体を用いて回分培養と流加培養によるPHAの生産を試み、Xylプロモーターが誘導される条件に達すると自発的に自己破砕に到ることを確認し、さらに、培養結果の分析から上清中にPHBが生産されることを確認した。また、Ralstonia eutrophaのPHA合成遺伝子ならびにファージの溶菌酵素遺伝子を同一プラスミド上に乗せたPHA合成能を有する自己破砕大腸菌を作製した。この組換え体の培養結果からPHAの菌体内濃度が90%以上に高まった段階で菌体の自己破砕が確認された。これらの結果を踏まえて、プロセス全体にわたる生分解性ポリマーの生産コストの評価解析を行い、本研究で提案した生産・分離精製工程統合プロセスにより、価格の低減が可能であることを示した。炭素資源の循環利用、製品の用途、最終消費者のモラルなどまで考慮に入れた総合的な視点に立つと、生分解性プラスチックという考え方が現在のプラスチック製品による環境汚染を完全に解決するとは言いきれないが、少なくとも、その技術的また製品的な代替選択肢の一つになることは間違いないであろう。現在の生分解性プラスチックは生産費用が高く、上記選択肢の候補にするにしてもまだ汎用性が低い。本研究の成果は、この状況に対する技術的な面からの一つのアプローチを示したものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Katsutoshi Hori, Mayumi Kaneko, Yasunori Tanji, Hajime Unno: "Construction of self-disruptive Bacillus megaterium in response to substrate exhaustion for polyhydroxybutyrate production"Appl. Microbiol. Biotechnol.. (in press). (2002)
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[Publications] Masatomo Morita, Kazuhiro Asami, Yasunori Tanji, Hajime Unno: "Programmed Escherichia coli Cell Lysis by Expression of Cloned T4 Phage Lysis Genes"Biotechnology Progress. 17. 573-576 (2001)
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[Publications] Masatomo Morita, Yasunori Tanji, Yuji Orito, Katsunori Mizoguchi: "Functional analysis of antibacterial activity of Baccilus amyloliquefaciens phage endolysin against Gram-negative bacteris"FEBS Letters 200. 56-59 (2001)
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[Publications] Wu Guifang, Wu Qingyu, Shen Zhongyao: "Possibility to impreove the Cyanobacterial PHB biosynthesis level"J. Chemical Engineering of Japan. 34(9). 1187-1190 (2001)
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[Publications] Yu Humin, Yin Jin, Li Hongqi, Yang Shengli, Shen Zhongyao: "Construction and selection of the novel recombinant Escherichia coli strain for poly-β-hydroxybutyrate production"Journal of Bioscience and Bioengineering. 89(4). 307-311 (2000)
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[Publications] Yin Jin, Yu Huimin, Li Hongqi, Shen Zhongyao: "Study on kinetics of dissolving biomass using sodium hypochiorite in the recovery of poly-β-hydroxybutyrate; Chinese"J. of Chem. Eng.. 7(2). 173-177 (1999)