2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11695053
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
下崎 敏唯 九州工業大学, 機器分析センター, 助教授 (00093964)
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Keywords | 熱電変換材料 / FeSi_2 / CoSb_3 / ポーラス材料 / 熱伝導率 / カーケーンドールボイド |
Research Abstract |
反応拡散で形成される金属間化合物の特徴として異種相が存在しない、溶解しないので坩堝や大気からの汚染が少ない、界面が清浄である、結晶粒が特定の方向に配向するなどの特徴を有する。これらの特徴を上手く生かすことが出来るなら、これまでにない高性能な熱電変換材料を創製することができる可能性がある。 一般に、例えば鉄シリサイドなどの熱電材料の性能は鉄の純度には殆ど影響されないことが知られている。しかしながら、これまで用いられた鉄は出発材料の純度が99.99%程度であっても、その後のプロセスで純度の低下が起こっている可能性が高く、超高純度鉄およびシリコンを用いて高純度鉄シリサイドの性能を研究した例はない。本研究ではできる限り出発原料の純度を高くし、その後のプロセスによって汚染されない方法で作成した熱電変換材料の特性を調べることにある。この目的で高純度鉄、高純度Coにこだわり、反応拡散で熱電材料を創製するための作成方法を検討した。 熱電変換材料として我々が検討を行った系はFe-Si,Co-Si,Co-Sb2元系である。Fe-Si系では反応拡散で主に生成される相はFe3Siであり、Fe3Siの成長速度は鉄中の酸素濃度に著しく依存することを明らかとした。目的のFeSi2を短時間で生成することは困難であった。Co-Si系においては目的のCoSi2の生成・成長挙動を明らかとした。Co-Sb系では固体-固体、固体-液体、固体-蒸気拡散対を用いて種々の組織を有するCoSb3を作成した。この結果、ポーラスCoSb3が生成できた。ポーラスCoSb3は熱伝導率を著しく低減できる可能性があり、CoSb3の熱電特性改善が期待できる。
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[Publications] T.Shimogalai: "The Role of Iron in Ti on The Growth of Ti Silicidesin Bulk Ti/Si Diffusion Couple"Mater.Trano.JIM. 40・7. 612-617 (1999)
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[Publications] T.Okino: "Thermal equilibrium Concentrations and Diffusion of intrinsic point detects in Silicon"Physica B. 273〜274. 509-511 (1999)
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[Publications] K.Fujiwara: "Measurement of Intrinsic Coefficients in Ni_3Al"The JAPAN INSTITUTE of METALS PROCEEDING. 12. 481-484 (1999)
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[Publications] 金槿銖: "Co/Siバルク拡散対における反応拡散"日本金属学会誌. 64・6. 771-775 (2000)
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[Publications] T.Shimozaki: "Reactive Diffusion Between Ultra High Purity Iron and Silicon Water"Mater.Trans.. 42・4. 15-20 (2001)