1999 Fiscal Year Annual Research Report
超穂重型水稲品種の籾数の成立過程と登熟特性の解明に関する基礎的研究
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11695079
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 由のり 高知大学, 農学部, 教授 (00093956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 彰 高知大学, 農学部, 助手 (00304668)
吉田 徹志 高知大学, 農学部, 教授 (10145112)
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Keywords | 水稲 / 品種 / 頴花 / 登熟 / 千粒重 / 収量 / 維管束 / 窒素追肥 |
Research Abstract |
中国揚州大学農学院と高知大学農学部圃場において、日本稲品種[揚州:日本晴(NP)、高知:コガネマサリ(KM)]を対照品種として、中国産の超穂重型多収性品種をそれぞれ3品種[武育粳8号(WYJ8)、汕優63号(SY63)、揚稲6号(YD6)]および2品種[WYJ8、揚稲4号(YD4)]を供試して、生育経過、穎花数の成立、登熟特性、収量および収量構成要素等について検討した。また、中国産超穂重型稲品種を含む草型を異にするインド型、日本型、日印交雑稲品種をポットで分げつ除去栽培し、穂揃い期における主茎の穂首維管束の顕微鏡観察を行った。[結果]1.揚州大学:穂数はNPが中国品種より多かったが、1穂籾数はNPの83.2粒に対して、83〜113%多かった。また、m^2当たり籾数は、NPの2.54万粒に対して、15〜29%多かった。登熟歩合と精籾千粒重は、NPの85%、27.1gに対して、中国品種では、それぞれ89.3〜90.1%、29.4〜31.6gといずれも優った。中国品種の高い登熟歩合は、主として1次籾数の高い登熟歩合に、また高い精籾千粒重は1次、2次籾および穂の部位による千粒重の差が小さいことに起因した。収量はNPに比べて中国品種で200〜300g/m^2優った。2.高知大学:(1)分げつ期の窒素追肥量(7.5〜20.0N/m^2)の増加に伴って1穂当たりの分化穎花数は増加する傾向がみられたが、退化穎花数、退化穎花率も増加したために現存穎花数(KM:88〜97、WYJ8:112〜121、YD4:109〜121粒)に追肥効果は認められなかった。いずれの品種も、分化穎花数は出穂期の、また退化穎花数は幼穂分化初期の地上部乾物重および窒素含有率(量)と有意な正の相関関係を示した。そして、吸収窒素当たりの分化穎花数はWYJ8で、退化穎花数はYD4で大きかった。(2)穂首節間を走行する大維官束数には、品種群間に差(9.2〜21.2)があり、半矮性インド型稲>長稈インド型稲>日印交雑稲>中国産日本稲>穂重型日本稲>穂数型日本稲の順に多かった。
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Research Products
(1 results)