1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11710007
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| Research Institution | Fukuoka University of Education |
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Principal Investigator |
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (20294845)
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| Keywords | 明末 / 蘇州 |
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| Research Abstract |
本年度の研究成果は大きく次の二点にまとめることができる。一点めは、明末の蘇州府にあった書院(和靖書院、学道書院、鶴山書院、甫里書院、文正書院、金郷書院等)における思想活動の実態を、地方誌をはじめとする史料をもとに整理したことである。なお、その際の副産物として、中国における書院研究資料の整理状況を文献紹介のかたちで簡略にまとめた文章を発表した。
また、もう一点は、明末蘇州の思想界の特色を鮮明に描き出すための基礎作業として、蘇州の士人たちが官吏登用試験である科挙にどう関わったかという点、すなわち、彼らが科挙に受験勉強を通じてどのような学問観を身につけたかという点についての分析を行ったことである。この分析を通じて、明代の蘇州では『易経』『春秋』が他地域に比べて特に好まれていたことが明らかにできた。だが、このことが明末の蘇州の思想界にどういう意味を持ったのかという問題については次年度の課題である。とはいえ、この考察は本年度の研究実績計画を良い意味で脱線し、結果として明代科挙と明代思想との関連についての論文を生むことにも繋がった。
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